投資は単調で退屈なプロセスだ

  1. まず心と頭の準備を
  2. 投資はプランだ
  3. トレード=投資ではない

まず心と頭の準備を

「金持ち父さんの投資ガイド 入門編」(筑摩書房刊)は、ロバート・キヨサキが金持ち父さんから学んだ、投資家になるためのレッスンについて書いたものだ。

大学を出て海兵隊に入り、ベトナムで従軍して戻ってきたキヨサキは、金持ち父さんのもとで投資について学び始めた。

このとき彼が一番に金持ち父さんから学んだのは、投資のテクニックではなかった。
金持ち父さんが最初にキヨサキに教えたのは、投資とは何かという基本的な考え方であり、投資家とはどうあるべきかという心のあり方だった。

金持ちの投資家になるためには、まず心と頭の準備が必要不可欠だと、金持ち父さんは確信していたからだ。

投資はプランだ

投資とは何か、投資家とはどうあるべきかについての金持ち父さんの教えは、非常に重要なものだ。

その教えは、「金持ち父さんの投資ガイド 入門編」を一冊まるごと使って書かれているので、投資に興味のある人はぜひ読んでみてほしい。

「金持ち父さんのキーワード」のなかでもすでに紹介したように、「投資はプランだ」というのが金持ち父さんの教えの要点の一つだ。

今の金銭的状態から、もっとお金のある裕福な状態へと移行するためにはどうしたらいいか。
キャッシュフローゲームで言えば、ラットレースから抜けてファーストトラックに移るためにはどうしたらいいか。
そのためのプランを決め、プランに従って資産を増やしていく、これが投資だ。

そう金持ち父さんは教えてくれた。

トレード=投資ではない

金持ち父さんは一般の人が投資について間違った考えを持っていると説明していた。

一般に投資というと、株の売買で一度に大金を儲けるとか、市場の大暴落で投資家たちがビルから身を投げるといった、映画に出てくるようなことをイメージするかもしれない。

だが投資は、実際にはそんな派手なことではなく、もっと単調で退屈なものだと金持ち父さんは言う。

キヨサキもセミナーでよく「どの株を買えばいいですか」「不動産のほうが儲かりますか」と質問されるが、そのたびに「何も分かっていない人が多すぎる」とため息をつく。

株やFXなどのトレードは、単なるトレード、つまり取引であり、それ自体は投資ではないと金持ち父さんはキヨサキに教えてくれた。

市場には、トレードの勝ち負けにだけこだわる見かけだけの投資家がたくさんいるが、彼らはギャンブル中毒でしかない、と金持ち父さんは言っていた。
あるいはまた、投資プランを持たないまま、トレードの技術を身につけることに専念している人は、手押し車を押して同じところをぐるぐる回っているようなものだ、とも言っていた。

投資はプランだ、という金持ち父さんの教えがどんな意味を持っているのか、いま一度学んでみてはどうだろうか。