政府は経済をコントロールできるのか

  1. アベノミクスで景気回復?
  2. 基本的な経済政策とは何か
  3. 政府の金遣いをチェックしよう

アベノミクスで景気回復?

選挙になると、政党や候補者は「この経済政策で景気回復を」といった公約を必ずと言っていいほど掲げる。

有権者の方も、「やっぱり景気をよくしてくれる人に投票したい」などと言う人が多い。

今の安倍政権もいわゆる「アベノミクス」をかかげ、デフレ脱却のためにインフレ目標を設定し、円安に誘導して輸出を伸ばし、景気を回復させることを目指すと言ってきた。

たしかに日経平均株価は上がったかもしれないが、それは円安のせいもあると言われている。

実際に、日々の生活で景気がよくなったと感じている人はどのくらいいるのだろう。

アベノミクスの評価以前に、そもそも、政府が経済をコントロールすることははたしてできるのだろうか。

基本的な経済政策とは何か

『金持ち父さんの予言』(筑摩書房刊)の中でキヨサキは、政府が行う基本的な経済政策は次の五つだと言っている。

1.紙幣を印刷する
2.税金を集める
3.お金を使う
4.解決できない問題を先送りする
5.金利で経済をコントロールする

4は政治に対する皮肉が多少まじっているとは思うが、実際のところ、政府が出来るのはこのくらいのことかもしれない。

このキヨサキの指摘を頭に入れておくと、今現在どのような経済政策がとられているのかをチェックするためのひとつの手がかりになる。

政府の金遣いをチェックしよう

安倍政権になってから、日本政府と日銀は「1.紙幣を印刷する」と「5.金利で経済をコントロールする」を積極的にやってきたと言えるだろう。

大規模な金融緩和でお金の流通量は増え、金利が下がっているが、それによって経済が好転したかどうかは評価の分かれるところだ。

「2.税金を集める」もかなり積極的に行っていて、消費税が5%から8%へとすでに引き上げられ、さらに10%へと上がる予定だ。

ほかにも、2012年より所得税に復興特別税が加算され、相続税も今年2015年から課税が強化される。

「3.お金を使う」と「4.解決できない問題を先送りする」については、評価が分かれるところだが、まずはどこにどれだけ税金が使われているかを知らない限り、判断するのがむずかしい。

選挙で投票して税金を払ったからそれでおわり、ではなく、政府がどの問題を解決するためにお金を使い、どの問題を先送りにしているかをチェックしてみてはどうだろう。

なにしろ2015年1年間で96兆3420億円もの予算を使うというのだから、政府のお金の使い道をしっかり検証することで、世の中の動きもわかるし、もしかしたらそこにビジネスのヒントが見つかるかもしれない。