時間に注意を払う

  1. サイクルの変化に注意する
  2. 時の翁に敬意を払う
  3. 時間とお金

サイクルの変化に注意する

金持ち父さんは

「投資家はみんな、いつ花が咲くか、そして、それがいつまで咲いているか知る必要がある」

と述べている。(「金持ち父さんのパワー投資術」(筑摩書房))

これは、投資家は誰もが時の流れに注意を払わなければならないということを意味している。両親の世代に当てはまることは、私たちの多くに当てはまらない。

つまり、投資家はサイクルに注意を払わなければいけないということだ。

米国の何百万人というベビーブーム世代が何ドルものお金を失ったのは、彼らがセールスマンの言葉に耳を傾け、サイクルの変化に注意を払わなかったという単純な理由だ。

セールスマンや株式ブローカーの言う市場の平均上昇率こそまさに、洗練されていない投資家をおびき寄せるための売り込み口上だ。

プロの投資家は市場が上がりもすれば下がりもすることを知っている。

ロバート・キヨサキは、セールスマンらの言葉に対し

「平均をあてにして投資をするのは平均的な投資家だけだ」

と述べている。

ロバート・キヨサキは、1996年に株式市場が上昇を始めた時、金・銀・天然ガスなどの商品に投資を始めていた。

株式市場のサイクルと商品取引市場のサイクルについて学んでいたロバート・キヨサキは、株価が上がったら株式市場から手を引き、次の市場を探し始めろということを知っていたからだ。

プロの投資家は、時の翁、つまり時間がもたらすサイクルに敬意を払いつつ投資をするということなのだ。

時の翁に敬意を払う

偉大な投資家になるためには、時の翁に敬意を払い、時間がお金のゲームの得点に与える影響を軽んじることなく、真摯に受け止めなければならない。

ここでは、あなたが注意を払うべきサイクルとトレンドをいくつか紹介しよう。

■チャンスの窓
「時は誰のことも待たない」とよく言われるが、チャンスについても同じことが言える。
チャンスの窓の一例として、以下の事実がある。
株式市場が好調を続けていた時、多くの投資家がウォーレン・バフェットのことを引き合いに出し、株式投資を始めた。だが実際には、何百万人もの新米投資家たちが市場に殺到したのと同じ時期に、ウォーレン・バフェットはその市場から手を引いていた。

■人生は変わる
今、多くの会社がダウンサイジングを進める中、本来なら仕事の人生にピリオドを打っていて
いい時期にゼロから始めようとしている人がたくさんいる。
仕事は長期的な問題に対する短期的な解決でしかない。ここで言う長期的な問題とは、金銭的にどうやって生き延びるかという問題、特に、仕事をしない状態・できない状態、
あるいは全てを失いゼロから再出発しなければならない状態でどうやって生き延びるかという問題だ。。
ロバート・キヨサキは、この問題を乗り越えるために、ファイナンシャル教育が不可欠だと述べている。

■いつも勝つことを期待するな
株式市場が好調だった時、多くの新米投資家が幸運に恵まれてお金を儲け、そのあと損をした。そして、その後も、もう一度幸運が戻ってくるのを期待して投資を続けたが、それは負けるために続けたようなものだった。一回投資して儲かったからといって、たとえ同じような投資をしたとしても、また儲かるとは限らない。

■恐慌はまたやってくる
歴史的に見ると、75歳まで生きる人は大きな不景気を一回、一時的な景気後退を二回経験する。今の私たちの経済社会は、お金を持ち続けている人と、まったく持っていない人がいる社会だ。一度に何百万ドルものお金を投資する投資家たちがいる一方、職を失い、食べ物を求めて列を作る人たちもいる。もし大きな不景気が再び襲ってくるとしたら、その時、あなたはどちらのグループに属していたいだろうか?

時間とお金

前にも述べたが、私たちが好むと好まざるとに関らず、時の翁は進み続け、変化する。

ベビーブーム世代の多くの投資家たちが、先に進み続ける時の翁の姿が目に入らないという、ただそれだけの理由で、いつまでも引退できない状況になるのは、かなり確実なことだとロバート・キヨサキは述べている。

長期の投資を目指して買い、持ち続け、祈れというのは、市場が方向を変えたりサイクルが変化している時、例えば株式市場から商品市場へ流れが移っている時には、見当違いのアドバイスだ。

市場は時の流れと共に動くことをよく覚えておいて欲しい。