ゲームを売るために本を書いた?
「ロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』は、キヨサキが作ったボードゲーム『キャッシュフロー』を売るために書いたものだ。(それを知らずにありがたがって本を読んでいるなんてばかばかしい)」ネットでたまにこんなドヤ顔の書き込みを見かけるが、これは半分正しくて、半分間違っている。
たしかに、ロバート・キヨサキは『金持ち父さん貧乏父さん』を書き、自分が考案したボードゲーム『キャッシュフロー』を製品化して、どちらも自分の会社から売り出している。
だがこの二つは、どちらも金持ち父さんの教えを多くの人に伝えるためにキヨサキが生み出したものであって、「ゲームがメインでそれを売るために本がある」ことを意味するわけではない。
新たな考え方を学ぶためにゲームをする、というスタイルがなじまない人のために、キヨサキは本の形で同じことを伝えようとしていると言ってもいいかもしれない。
お金について実地で学ぶ
キヨサキは、人にはそれぞれ得意なことがあり、それに応じて適切な学び方があるという話を、「金持ち父さん」シリーズのなかで繰り返ししている。
本を読むのが得意な人、人の話を聞くのが好きな人、シミュレーションを好む人、まず実地にやってみて学びたい人、と実にさまざまだ。
従来の学校教育では、本を読み、授業で先生の話を聞くのが基本スタイルだが、シミュレーションや実地で学ぶほうが教育効果が高いことは、すでに証明されている。
そして、お金について学びたいのなら、本を読むだけでは身につかず、実地で学ぶ必要がある、とキヨサキは繰り返し強調する。
「キャッシュフロー」はシミュレーションゲーム

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だが、お金や投資について実地で学ぶためには元手になるお金が必要だし、自分のお金を失うリスクも当然あるからまずは恐怖心を克服しなければならなくなる。
そこで、キヨサキはお金と投資について学ぶためのシミュレーションゲーム「キャッシュフロー」を作った。
もちろん現実よりも単純化され強調されている部分もあるが、損を出して自分のお金を失うことなく、投資とはどういうことかが体感できる。
だから、本を読みゲームをすることで、学びが多面的になり理解も深くなる。
投資に限らず、いま学んでいることでなかなか成果が上がらないようなら、自分がどの学習スタイルが向いているか、もう一度見直してみるのがいいかもしれない。