株は買うものではなく売るもの?

  1. 株式投資は入りやすい投資
  2. ボラティリティを生かすテクニカル投資
  3. 起業家は株式公開を目指す

株式投資は入りやすい投資

さまざまな投資のうち、株式投資や投資信託は少額でも始められるため、入りやすく手掛ける人も多いと言われている。

ロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』(筑摩書房刊)を読んだ読者が、まずは株を買ってみようと思うのは、そういう意味ではごく自然なことだと思う。

しかしながら、株式投資は自分でコントロールがほとんどできない投資であり、キヨサキがあまり積極的に勧めていないことは、これまでもここで取り上げてきたとおりだ。

だからといって、キヨサキが株式投資を否定的に見ているということではないようだ。

ボラティリティを生かすテクニカル投資

一般の株式投資家は、株を買ってそれが値上がりしたところで売り、買値と売値の差額、つまり利ザヤを稼ぐことで儲けを出す。

もちろん、持っていない株を空売りするところから始めて利益を出すこともできるし、それ以外の複雑なテクニックもさまざま生み出されている。

これらは「テクニカル投資」と言われる市場のボラティリティ(値動きの大きさ)に頼る投資の仕方で、やりようによっては投機になってしまうこともある。

さらにテクニカル投資はネットの発達とともに加速度的に複雑に進化し、無視できない存在となっているので、もし参入するのであれば、よくよく研究したうえで慎重に行動する必要がある。

起業家は株式公開を目指す

株式市場が資本主義経済にとって大事な存在であることは確かなことだが、それはまず第一に、株式の本来の働き、つまり企業が資金を集めるための手段としてということだ。

金持ち父さんは「多くの起業家の夢は、自分が作った会社が株式市場に上場されることだ」と言っていたと、キヨサキが『金持ち父さんの起業する前に読む本』(筑摩書房刊)のなかで書いている。

つまり、キヨサキのような起業家にとっては、株は買うものではなく売るものであるということだ。

ただ、最近では株式公開会社はより厳しい規則のもとで企業活動を行わなければならなくなり、株式公開のメリットとデメリットを考える必要も出てきている。

もしあなたが多くの人にサービスを提供するような会社を作ったとしたら、はたして株式公開をしたいかどうか、一度真剣に考えてみてはどうだろう。