株価の暴落について考える

  1. 長いスパンで株価を見る
  2. ボラティリティから生まれる利益
  3. 投資と無関係ではいられない

長いスパンで株価を見る

ロバート・キヨサキは『金持ち父さんのセカンドチャンス』(2016年 筑摩書房刊)で、株価の暴落について大きく取り上げている。

1895年からのアメリカの株価のグラフを示し、未来を見通すためには、まず過去から学ばなければならないと説明している。

あなたもぜひ一度、自分で10年~50年といった長いスパンでアメリカや日本の株価変動を眺めてみていただきたい。

これまで株価の暴落はどういったときに起こり、どのくらいの下落幅だったのか、株価水準の回までどのくらいの期間かかっているのだろうか。

ボラティリティから生まれる利益

インフレで貨幣価値が下落し、また株式市場の規模が拡大するに従って、平均株価1%が指し示す金額は膨れていき、株価の変動によって生み出される儲けも大きくなっていく。

大暴落と言われた世界大恐慌の時点のグラフの動きを、今の変動の大きさと比べると「これでそんなに影響があったのか?」と思うような振れ幅に見えてしまう。

そうした株式市場の規模拡大の動きにつれて、本来の意味での投資の側面は多少薄れているのかもしれない。

将来性のある会社の株を買うことで成長した際の配当や売却益を手にしようとする人だけでなく、株価の変動によって短期間に売買益を得ようとする人が増えてきたのは確かだ。

投資と無関係ではいられない

もちろん、株価のボラティリティをもとに売買差益を生み出すテクニカル投資家も、市場に資金を提供している存在であるし、その流動性を高めるという点で市場に貢献していると言えるだろう。

キヨサキが繰り返し言うように、いまの社会では、私たちはだれもが投資と無関係ではいられない。

年金基金などの公的資金が株式市場で運用され、個人の確定拠出年金(iDeCo)なども株式市場に直結している。

おそらく株式市場への資金の流入は止まらないだろう。

それを私たち1人1人がどう考えどう行動するか、キヨサキの著書はヒントを与えてくれる。