キヨサキの好きな詩
ロバート・キヨサキは『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房刊)の「はじめに」のなかで、ひとつの詩を引用している。
ロバート・フロストというアメリカの有名な詩人の、「歩む者のない道」という作品だ。
黄色い森の中で道が二つに分かれていた
残念だが両方の道を進むわけにはいかない
という言葉で始まるこの詩の締めくくりはこうだ。
いま深いためいきとともに私はこれを告げる
ずっとずっと昔
森の中で道が二つに分かれていた
そして私は人があまり通っていない道を選んだ
そのためにどんなに大きな違いができたことか
これは何を意味しているのだろうか。
レッドオーシャンではなくブルーオーシャンを選ぶ
キヨサキはここで、高い教育を受けた実の父の忠告を聞くことをやめ、金持ち父さんからお金について学ぶことを選んだことについて、この詩を引用して語っている。
だが注目しておきたいのは、「私はこの詩に書かれていることを毎日やっている」とも書かれていることだ。
人があまり通っていない道とそうでない道があった場合、人が通らないほうの道を選ぶ。
そういうことを私は毎日やっているとキヨサキは言っている。
これはまさに、ビジネスにおいてレッドオーシャンではなくブルーオーシャンを選ぶ、ということだと受け取ることができるのではないだろうか。
活路を見出すためのヒント
ご存じのように、レッドオーシャンとは競争の激しい市場を、ブルーオーシャンとは競争のない市場を指すビジネス用語だ。
競争の激しい成熟した市場では、結局のところ大きな資本、大きな組織が有利となる。
個人や新規参入者が勝つには、まだそれほど注目されていない成長の可能性を秘めた市場=ブルーオーシャンを探し、そこに活路を見出すしかない。
そうしたやりかたをキヨサキは実践してきたし、また私たちにも勧めている、そう読み解くことができるように思う。
頭でわかっていてもなかなか実行できないかもしれないが、ここにひとつの重要なヒントがある。