金持ちから取って貧しい人のために使う?
ロバート・キヨサキは「金持ち父さん貧乏父さん」(筑摩書房刊)のなかで、税金についての話をしている。
イギリスで国民から所得税を毎年とりたてるようになったのは1874年、アメリカでは1913年に憲法が改正されてからのことだという。
所得税が導入された当初、人々が税金に対して持っていたイメージは「金持ちからお金を取り上げて貧しい人のために使う」というものだった。
そう思っていたからこそ、多くの人がこの制度の導入に賛成したのだろう。
だが、今では金持ちは税金から逃れ、貧しい人が収入に対してより大きい割合で税金を払っている。
どうしてそんなことになっているのだろう。
政府はどんどん大きくなる
その原因のひとつは、政府のお金の使い方にあるとキヨサキは言う。
金持ち父さんがキヨサキに教えたように、政府の中では組織が大きくなったほうが高い評価を受ける。
組織が大きくなるとは、たくさんお金を使い、たくさんの人を雇うことを意味する。
それに、政府は予算を決めてそれを使いきるシステムになっていて、お金を余らせたら次の年から予算を減らされてしまう。
ビジネスではお金を余らせることはいいことだが、官僚組織ではそれはむしろマイナスとなる。
こうして政府はどんどん大きくなり、政府が大きくなれば、それを維持するためにより多くの税金が必要となる。
どこの国でも同じように、こうしたことが起こっている。
金持ちは会社を使って節税する
もうひとつの原因は、金持ちがお金の力を習得していて、会社を使って節税をするからだと言う。
会社を使うことによって、金持ちは税金や訴訟から身を守ることができる。
たとえば、会社であれば収入から経費を差し引いたものに税金がかかるが、個人ではそうはならない。
わかりやすく言うとこんな感じだ。
会社を持っている金持ち
- 稼ぐ
- お金を使う
- 税金を払う
会社のために働いている人々
- 稼ぐ
- 税金を払う
- お金を使う