ネットに流れた信じがたいフレーズ
先日、何の気なしにネットを見ていたら、「『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、貯金は彼の貧乏父さんのようなだまされやすい人のためのものだと主張している」という信じがたいフレーズが目に飛び込んできた。
キヨサキの本を読んでいる人なら、これが間違っていることはすぐにわかるはずだ。(念のために付け加えると、英語記事の翻訳らしいので原文は別の意味だったのかもしれない。)
キヨサキは、「ただ貯金しているだけでは金持ちになるのは難しい、金持ちになりたいなら投資やビジネスをしなさい」と言っているのであって、貯金しているのはだまされやすい人だとか、貯金は不要だとか言っているわけではない。
むしろ彼は、お金を貯めることは大事だと「金持ち父さん」シリーズ(筑摩書房刊)のなかで繰り返し言っている。
富の定義は「どれだけ生き延びられるか」
貯金が大事なことは、今のような思わぬ事態が起こったときに身にしみてわかる。
『金持ち父さん貧乏父さん』でキヨサキが富の定義をしているが、富とは収入が無くなった場合にどれだけの期間生き延びられるだけのものを持っているか、だとしている。
だから、資産を作るときにはまず貯金をすることから始めるようにと彼は言う。
半年や1年食べていけるくらいのお金がたまったら、投資することを考える。そのころにはお金の大切さがよくわかって、無駄遣いもしなくなっていることだろう。
貯金がもたらしてくれるもの
貯金ができてくると、いろいろいいことがある。
まず、「どれだけ生き延びられるか」が自分で見えるので、自信と安心感が生まれる。
さらに、貯金をしている金融機関からの信用が得られるので、融資してもらおうと思ったとき、貯金のない人に比べて融資が受けやすくなる。
そして、市場がバーゲンを始めたときに、チャンスを生かして投資するための元手にすることができる。
今はだれもが厳しい状況にあるが、危機が去れば日常が戻ってくる。
そのときに淡々とお金を貯める人が、まずは金持ちへのスタートラインに立つことができるだろう。