価値は時間で測るもの
「金持ち父さんの投資ガイド 入門編」(筑摩書房刊)には、投資家になるためのレッスンがまとめられている。
海兵隊に入りベトナム戦争から帰還したロバート・キヨサキが、金持ち父さんの元で投資家になるために再び学び始めたときのことについて書いたものだ。
ある日のレッスンで、金持ち父さんはこんなことを言った。
「たいていの人は値段はお金で測るものだと思っている。だが、本当は、値段は時間で測るものなんだ」
「時間とお金というふたつの資産を比べてみた場合、本当に大きな価値があるのは時間のほうなんだ」
キヨサキが「本当は値段は時間で測るものだ」という言葉の意味をたずねると、金持ち父さんは次のような例を出して説明してくれた。
なぜバスよりも飛行機の運賃が高いか
「ロサンゼルスからニューヨークまで、バスで行くのと、飛行機で行くのとでは、どのくらいの運賃の差があるだろうか?」
「なぜ人は高い運賃を払って飛行機に乗るのだろうか?」そう金持ち父さんはたずねた。
キヨサキは「時間が節約できるから、みんな高いお金を払って飛行機に乗るんです」と答えた。
すると金持ち父さんはこう言った。
「それを時間を節約するのではなく、時間を買うというふうに考えてごらん」
「時間を貴重なものとしてとらえ、それに値段があると考え始めた瞬間、きみは前より金持ちになっていく」
節約に時間をかけるか、学ぶために時間を投資するか
さらに金持ち父さんはこんなことを言った。
「ほんの数ドルのお金を節約しようと、食料品や日用品を買うのに何時間もかける人たちを見かけることがある。彼らはお金は節約しているかもしれないが、多くの時間を無駄にしている。」
「本当の値段は時間で測られるが、貧乏な人はお金を判断の基準にし、金持ちは時間を基準にする」
「持っているお金が少なければ少ないほど、人はお金に必死でしがみつく」
「私はお金は単に交換の手段だと思っている。現実的に言って、お金はそれ自体の価値はほとんどない。だから、私はお金が手に入ったらすぐに、それを何か価値のあるものに交換したいと思う」
「皮肉なことに、必死でお金にしがみつく多くの人たちの場合、自分が一生懸命に働いて稼いだお金を使う時になると、お金をゴミ(価値のないもの)に変えてしまう」
「資産を手に入れて金持ちになるには、まず学ぶために時間を投資することが大事だが、そうする人はとても少ない」
金持ち父さんがキヨサキに伝えようとしたことが、あなたには理解できただろうか。