お金について、いま誰から何を学ぶべきか

  1. 政府のお金は価値が下がっていく?
  2. お金についてどう学んだか
  3. いま誰から何を学ぶべきか

政府のお金は価値が下がっていく?

繰り返しお知らせしているように、2年ぶりにロバート・キヨサキの新刊『金持ち父さんの「これがフェイクだ!」』(筑摩書房)が刊行された。

400ページ近い厚さのこの本は三部構成で、「第一部 フェイクマネー」「第二部 フェイク教師」「第三部 フェイク資産」となっている。

キヨサキが初めて仮想通貨やブロックチェーンについて肯定的な発言をしていると前回書いたが、彼は「第一部 フェイクマネー」のなかでお金を、神のお金(金・ゴールドや銀など)、政府のお金(ドルやユーロ、円など)、人々のお金(サイバーマネーや仮想通貨など)の3つに分類し、いずれ政府のお金は価値が下がっていくのではないかと懸念を表明している。

さらに、「第二部 フェイク教師」でキヨサキは、従来の学校教育でお金についての教育がなされていないこと、それなら誰に学べばいいかについて語っている。今回はこれについて見ていこう。

お金についてどう学んだか

第二部では、お金と起業や投資について、キヨサキはまず、自分がどのように学んできたかを語る。このあたりは「金持ち父さんシリーズ」の読者なら概要は知っているはずだ。

9歳の時に小学校の先生にお金について聞いたが教えてくれず、親友マイクの父である金持ち父さんから学ぶようにと貧乏父さんがアドバイスしてくれた。

高校を卒業して商船アカデミーへ進み、海兵隊に入ってベトナムへ行き戦った(この中で語られるヘリ墜落の逸話は読みごたえあり)。戦争から戻るとゼロックスでセールスの職に就き、セミナーにも通って投資や起業を学び、実践し始める。

それ以降、山あり谷ありの人生でキヨサキが失敗から多くを学んできたことが語られるが、どんなセミナーにはまっていたのか、ここまで詳しく語られたのは初めてかもしれない。

いま誰から何を学ぶべきか

第二部の最後に、では私たちはいま誰から何を学べばいいのかについてのリストが挙げられている。一部を紹介しよう。

エドワード・グリフィン『マネーを生みだす怪物――連邦準備制度という壮大な詐欺システム』(草思社)

リチャード・ダンカン『ドル暴落から、世界不況が始まる』(日本経済新聞社)

ノミ・プリンス『中央銀行の罪――事象を操るペテンの内幕』(早川書房)

バート・ドーメン「ウェリントンレター」(株式投資のニュースレター。英語のみ)

ジェームズ・リカーズ『通貨戦争 崩壊への最悪シナリオが動き出した』(朝日新聞出版)

これらは主に、「金持ち父さんのラジオ」(英語のみ)で無料で聞けるインタビューに登場した人たちとその著書だ。キヨサキの本を読んだあとは、このなかから気になる一冊を手に取ってみてはどうだろう。

お金とは何かについて、より深く考えるきっかけになるだろう。