NISAが終わる、ってマジですか?
10月半ばに、「NISA恒久化見送り」を政府が検討している、というニュースが流れた。
株式投資をしている人なら当然ご存じだと思うが、NISA(少額投資非課税制度)は株式や投資信託を中心に、年120万円を上限に5年間まで、売却益に課税されることなく投資できる制度だ。
14年に創設されてからこれまでに1100万口座を超えて拡大してきたが、裕福な高齢層が短期売買に使っているとの指摘もあるため、恒久化見送りの方向に向かうという。
このままでいくとNISAは2023年までとなる見込みだが、つみたてNISAは存続する方向らしい。
投資をするときには税制も知っておこう
なぜこの話題が投資家の興味を引き付けているかというと、投資をする際には税金対策も重要になってくるからだ。
投資でいくら収益が上がったとしても、その大半が税金で持っていかれてしまうようでは、投資をする意味がなくなる。
だから、投資家は収益率だけでなく税金にも自然と敏感になる。
今回、ロバート・キヨサキ著『金持ち父さんの「これがフェイクだ!」』と同時刊行された金持ち父さんのアドバイザーシリーズ『資産はタックスフリーで作る』(ともに筑摩書房刊)で、トム・ホイールライトが強調しているのがまさにこの点だ。
税制からわかること
ホイールライトは、税制から読み取れるのは「政府が私たちに何をしてほしいか」であり、その意味で「税法は宝のありかを教える地図だ」と力説する。
彼が例として出しているのは、アメリカ合衆国では石油などのエネルギー資源の開発がとても優遇されていることだ。
また、不動産投資はどこの国でも、減価償却などが認められてかなり優遇されている。
そういう視点で見ると、NISAは株式投資を広い層に普及させて長期保有を促すために作られたのに、実は短期売買に使われることが多かったので仕切り直しをはかる、ということかもしれないとも思えてくるが、どうだろうか。
今後どうなるのか、注目していきたい。