国葬問題と国会のゆくえ

  1. すべての世論調査で「反対」が上回る
  2. 閣議決定のみで国会を軽んじる
  3. 働かない議員はいらない

すべての世論調査で「反対」が上回る

再び円安が進んでついに1ドル140円をつけた。1ドル115円だった年初と比較して自分の持つ資産や給与の価値がほぼ2割減ったと考えると、愕然とする。

オリンピック汚職の捜査からも目が離せないが、やはり注目が集まっているのは9月27日に予定されている安倍元首相の国葬についてだろう。

世論調査では、「評価しない」「反対」の割合が増え、ついにNHKや読売新聞を含むすべての世論調査で「評価する」「賛成」の割合を上回った。

国葬中止を訴える署名活動も始まり、短期間で40万人もの署名が集まったと報じられている。

当初、弔問外交の場として国葬は重要だという意見もあったが、海外からは軒並み返事が来ない状態だというニュースも流れている。

また、今回の国葬は「桜を見る会」の運営を行った会社が落札しているが、入札したのはこの1社だけだったというのもなにやら怪しい。

閣議決定のみで国会を軽んじる

だが、最も問題視されるべきなのは、これが閣議決定のみで進められ、国会の場で議論されていないことだ。

安倍政権が続き、自公(+維)が国会の議席の多数を占めるようになって、政府は自分たちの方針をまず閣議決定しそれを国会に出して可決し了承を得る、というやり方をしてきた。

今回の国葬については、閣議決定のみで事足りるとし、野党から臨時国会開催の要請が出ているのに応じようともしない。

まるで国会など不要だ、とでも言うような進め方だ。

憲法53条に決められているように、衆参どちらかの1/4以上の要求がある場合、内閣は臨時国会を開催しなければならないが、自公はいつまでに開くという規定がない、としてこれを拒否しているのが現状だ。

自民党憲法改正案では、こうした場合に要求から20日以内に臨時国会を開くとされているのに、それもすでに超えている。

岸田首相は世論が反対に傾くのを見て、「しっかりと説明していく」と繰り返し、野党が開いている閉会中審議にも出ると言い出したが、それなら臨時国会を召集するのが筋なのではないか。

働かない議員はいらない

先日の国政選挙のとき、与野党問わず候補者はなんと言って訴えていたか?

「私を国会に送り出してください」と言っていたのではないか。

それなのに、このありさま、いったいどうしたことか。

野党議員だけでなく与党議員も、「なぜ臨時国会を開かないのか」「私に仕事をさせてくれ」と内閣を非難して当然なはずだ。

国会議員は、国会という場で国民の声を代弁し、議論してこその存在なはず。

働かない議員は国民にとっては不要だ。