ロバート・キヨサキ2年ぶりの新刊が好評発売中
10月末ロバート・キヨサキの新刊『金持ち父さんの「これがフェイクだ!」』とトム・ホイールライトの『資産はタックスフリーで作る』が刊行された。
『金持ち父さんの「これがフェイクだ!」』は前書きにもあるように、去年に刊行直前まで進んでいたものにさらに加筆したというだけあって、かなり盛りだくさんの充実した内容になっている。
そのなかから、いくつかのトピックスを拾って紹介していきたいと思う。
まずは日本でも大きな話題になっている年金制度についてとりあげよう。
スペイン、イギリス、スイスでも公的年金積立金が不足
ここでも何度か言及したように、日本の金融庁は5月に「年金では老後の生活に足りないので2000万円の資産形成を」という提言をしたが、思った以上の反発があったため、麻生財務大臣が報告書の受け取りを拒否するに至った。
本来この報告書は、厚労省などの資料をもとにファイナンシャルプランナーその他の有識者が集まって協議を重ねたもので、国民を株式投資や金融資産の形成に誘導しようというもくろみだったはずだ。
また、すでに年金支給年齢の繰り上げも実施されているが、こうした年金制度の危機的状況は日本だけではないことが、『金持ち父さんの「これがフェイクだ!」』で示されている。
たとえば、アメリカのサンディエゴ市やカリフォルニア州をはじめとする地方自治体の公務員の年金基金や、スペインやイギリスといった国の年金基金の積立金が大きく不足していることをマスコミが報じている。
その中でスイスの年金は比較的ましな状態だが、それでも年金基金は必要額の69%しかないため、2018年に年金制度改革を国民に訴えたが、国民投票で否決されたという。
なぜ年金積立金不足が起きているのか
こうした年金積立金不足がなぜ起きたかというと、その原因のひとつは医学の発達などで寿命が大きく延びたことであり、もう一つは金利が下がったことだと指摘されている。
年金制度が作られた時点と比べ、そうした条件が大きく変わったことは確かだろうが、変化はそれだけではない。
いまや、年金基金などはかなりの部分が株式市場で運用されているし、401(k)などの個人年金も株式投資が主な運用先になっている。もし、株式市場が大暴落を起こして回復しなかったらどうなるのだろうかと考えると、恐ろしい気がする。
こうした未来の危機にむけて、個人でできる予防策ははたしてあるのか。そう思ったかたは、ぜひ『金持ち父さんの「これがフェイクだ!」』を手にとってみてほしい。