数字の嘘を見抜く

  1. 数字も嘘をつく?
  2. 数字に慣れて嘘を見抜く
  3. 『フェイク!』

数字も嘘をつく?

「数字も嘘をつく?」のなかで、ロバート・キヨサキが言うように「数字を見ることは大事」だが、たとえば企業の決算や国の統計などの数字も「嘘をついている」かもしれないので、そのまま鵜呑みにするのは要注意だと書いた。

その例として、9月10日に厚生労働省が発表した6月の「毎月勤労統計調査(速報)」に含まれる賃金のデータを取り上げた。

統計のもとになるサンプルの取り方を変えたのに、これまでの数字を補正することなく、伸び率が実態よりも大きく見えるままにしている、という指摘がネットや新聞などでいくつか見られたケースだ。

その後の報道によると、このデータについては、政府の有識者会議である「統計会議」が9月28日に会合を開き、政府が発表している賃金伸び率が実態を表していないことを正式に認めたという。

数字に慣れて嘘を見抜く

このように、国や企業が公式に出した数字をそのまま鵜呑みにはできない、という例は意外とあるのではないだろうか。

先にすでに方針があって、それに合わせて数字を作る、といったことは、監視の目が届いていないと自然と起こりがちなのではないかと思えるからだ。

キヨサキが「数字を見ることは大事だ」と言うのは、常に「数字も嘘をつくかもしれない」という疑いを持って数字を検証できることまで含んでいると思った方がいいだろう。

数字を読むことに慣れて、その数字が嘘をついているかどうかを見抜く力をつける必要がありそうだ。

『フェイク!』

ご存じの方もいらっしゃると思うが、実は10月の初めにキヨサキが来日した。

彼は今、『FAKE!』という本を書いていて、来年には刊行される予定だという。

「フェイク・ニュース」という言葉をよく耳にするようになったが、ニュースだけでなく、情報を発信する人や教育についても、フェイクか本物かを見分ける必要があることを伝えるための本だと言っていた。

情報があふれている今こそ、本物を見抜く力をつけることが、生き抜くためにより重要になっているのかもしれない。