投資はギャンブルではない

  1. ギャンブルにはまらないために
  2. 資産か負債かは数字が教えてくれる
  3. 長期戦略とシミュレーションの重要性

ギャンブルにはまらないために

ロバート・キヨサキの「金持ち父さんシリーズ」(筑摩書房刊)を読んだあとで、「よし、経済的に自由になるぞ」と決意をする人は少なくない。

経済的自由を目指して実際に行動し始めるのは素晴らしいことだが、そのうちのある割合の人たちが、一攫千金を狙ってギャンブルに近い投資行動に出るのは、とても残念な気がする。

不動産投資を例にとってみると、最近問題になったシェアハウス物件などは、少し勉強すれば危うさはすぐにわかるレベルの案件だったのではないだろうか。

そうしたギャンブルにはまらないためにどこを見ればいいのか、それは一冊目の『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』や二冊目の『改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』を読み返せば書いてあることだ。

資産か負債かは数字が教えてくれる

たとえば、すでに飽き飽きするほど繰り返し目にしているはずの、資産と負債の定義がそれだ。

「資産は私のポケットにお金を入れてくれる」「負債は私のポケットからお金をとっていく」という定義が頭に入っていれば、投資しようとしているものが資産なのか負債なのかはシミュレーションが示す数字をもとに判断がつくはずだ。

もちろん、そのシミュレーションが恣意的な見込みや希望に基づいたものであれば、正しい判断ができない可能性も大いにある。

『改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』(筑摩書房刊)の第6章に出て来るように、ロバート・キヨサキが1974年に初めての投資用不動産として、ワイキキ郊外のマンションの一室を買ったときもそうだったという。

長期戦略とシミュレーションの重要性

ロバートが投資用不動産を買ったことを報告し誇らしげに書類を見せると、金持ち父さんは即座に「毎月どのくらい損をするんだ?」と聞いた。

ロバートがその物件の魅力と希望的観測を力説しても、金持ち父さんの前ではその投資の欠点があらわになるだけだったという。

このとき金持ち父さんが質問したのは、ロバートのお金に関する長期戦略とこの投資案件の位置づけ、そして判断のもとになったシミュレーションの甘さについてだった。

不動産投資をすでに始めている人、これから始めようと思っている人は、ぜひこの部分だけでももう一度読み返してみてほしい。

まだまだ学ぶべきことが隠れているのではないだろうか。