ナフサの総量は足りている?
5月11日、大手菓子メーカーのカルビーが、ポテトチップスなど主力製品のパッケージを5月下旬から白黒に変更するというニュースが流れた。
取引先への通知には、中東情勢の影響で包装に使うインクなどの調達が不安定になっているため、より簡易なデザインに変えると説明されている。
インクなどの原料となるナフサについて政府は「総量は足りている。目詰まりしているだけ」と言い続けているが、現場を見ると多くの石油製品が急激に値上がりし欠品や販売中止も増え、資材不足などで倒産する会社がすでに増加し始めているようだ。
日本に入ってくる原油が激減し、ガソリンの節約呼びかけもせず補助金でむしろ使用促進しているのだから石油製品が足りなくなるのは当然だし、中東の原油に比べて政府が輸入を推進する米国の原油は質が違いさらさらで重油などがとれないという問題もあるようだ。
イランは当初からずっと、日本政府が交渉すれば日本のタンカーを通過させる用意はあると言い続けているが、高市政権はかたくなにこれに応じようとはしない。
日本の石油商社はロシアからも原油を輸入しているが、高市首相は自民党政調会長だった2022年にロシアから入国禁止を言い渡され「上等やないかい。招かれても行かんわ」とTwitter(現X)でタンカを切った。
さらに言えば、中国にはこれまでの歴代政権の見解からかけ離れた「台湾有事」発言でケンカを売り、3月に起きた自衛隊幹部の中国大使館侵入事件についても謝罪をしていない状況だ。
願わくば普通に外交のできる人が首相であってほしい。
物価急上昇と高市政権のゆくえ
5月12日、「2025年度のエンゲル係数が45年ぶりに高水準」というニュースが流れた。ちなみに28.8%で1985年以来の高い数字だという。
ご存じのように、エンゲル係数とは家計の消費支出に占める食費の割合であり、これが上昇すると「食べていくだけでせいいっぱい」という状況に近づいていることを意味する。
そうした状況で高市政権が力を入れているのは、「国旗損壊罪」「スパイ防止法」「国家情報局設置法案」「憲法改正(緊急事態条項)」「皇室典範見直し」「マイナンバーカードの義務化」といった国家権力を強化するための法改正ばかりであり、国民が必要としている医療などの社会保障は削られていく。
なかでも「国家情報局設置法案」は、5月26日にも参議院の総務委員会で強行採決され、成立に向かうのではないかと危惧されている。
現政権は防衛費の増大と国家権力の強化によって、独裁的な先軍政治を目指しているようだが、その一方で、高市首相に関していま、さまざまな疑惑が湧き上がっている。
初出馬からの経歴詐称、違法の疑いが濃厚なサナエトークンへの公設第一秘書関与、総裁選および衆院選での相手候補の誹謗中傷動画の作成への公設第一秘書関与などだ。
週刊誌報道を見る限り、どれも十分すぎる根拠があるように思えるし、一部は国会の場でも公式に質問されているので、新聞やテレビも政権に忖度せずしっかり報道して国民が判断できるだけの情報を提供してほしいと切に願う。
トランプ米大統領の訪中
5月13日からアメリカのトランプ大統領が9年ぶりに中国を訪問して米中首脳会談が行われ、連日その詳細が日本のニュースのトップを飾った。
その破格の扱いは、米大統領の顔色を終始うかがっている高市政権の姿勢を反映しているのだろうが、やはり日本はアメリカの属国なのかと苦い思いになる。
会談内容はまあ当然のことながら「外交辞令」なので、いちいち取り上げる意味はないだろうが、アメリカと中国の力関係が明らかに変化してきたことは隠しようがない。
実は今回、日本政府はトランプ大統領に訪中前に日本を訪れて欲しいと要請していたようだが、望みむなしく帰国途中のエアフォースワンの機内から電話がかかってきただけだった。
それでも高市首相はなぜかずっとやっていなかった記者会見を久々に開き、トランプ大統領と15分電話で話したこと、だがその内容は公表できないことを満面の笑みで伝えた。
国民としては「今度はいったい何をトランプに約束したのか」とさらに不安になる展開でしかない。
はしごを外された高市自民
アメリカにとって中国が第一にビジネスの重要な相手であることは、今回の一行にイーロン・マスクをはじめ財界のトップが顔をそろえているのを見ても明らかだ。
中国には広大な土地と豊富な資源と層の厚い労働人口があり、同時にそれは意欲旺盛な消費市場でもある。
いくら高市支持者が背伸びをして中国を敵対視し並び立とうとしても、日本は少子高齢化で人口減少の一途をたどる狭い島国であり、ここ30年ほどのあいだ経済的に衰退の道をたどってきたことは残念ながら客観的な事実だ。
自民党歴代政権はアメリカから、日本国憲法を変えて戦争のできる国になり中国という日米の敵に立ち向かえと言われて「台湾有事」を旗印にしてきたのだろうが、今回の訪中を見ればもはやアメリカは中国の側につき、日本ははしごを外された形になったことは間違いない。
このままアメリカの顔色を見てトランプの要求に従っているだけでは、日本の生きる道が見い出せないのではないか。
ここは一度じっくり考えたほうがいい。
