国民のほうを向いていない政治

  1. 拙速かつ乱暴な国会運営
  2. 国民のほうを向いていない
  3. 7月30日に為替介入

2026年7月28日の「令和8年熊本地震」で被災された皆様にお見舞いを申し上げます。

酷暑のなか、国や地方公共団体からの必要な支援が、一刻も早く被災者の方々に届きますように。

拙速かつ乱暴な国会運営

7月25日、国会が事実上の閉幕を迎えた。

1月に招集された通常国会の冒頭に高市首相が衆議院を解散して選挙を行ったため、選挙後の2月18日に改めて第221特別国会が招集され158日間の会期で開かれた。

衆院解散・選挙でほぼ1カ月の空白が生じたことに加え、さまざまな疑惑に高市首相が誠実に答弁をしなかったこともあり、国会での審議は前例がないほど不十分なものとなった。

それでも、衆院で与党が圧倒的多数の議席を得たことを背景に、拙速かつ乱暴な国会運営が行われ、閣議決定した64法案すべてが可決成立した。

国民の個人情報を丸裸にする「個人情報保護法改正」、国民が大して望んでいないのに憲法改正の手続きを整える「国民投票法」、麻生太郎が自らの血縁を天皇にしたいと画策した「皇室典範改正案」、歯止めのない権限をもつ日本版CIAを作る「国家情報会議設置法」、刑法として無理筋な稚拙な法案だと総スカンを食らう「国旗損壊罪」、維新が目指す大阪都構想ありきの「副首都法案」などなど、今国会で成立した法律への批判は挙げればきりがない。

与党がやりたかったことで唯一棚上げとなったのは、自民と維新が提出した「衆院議員定数削減法案」であった。

国民のほうを向いていない

こうやって見ていくと、高市政権がいかに国民のほうを向いていないか、国民を監視統制し戦争ができる国を目指すための法律作りに力を注いできたかが見えてくる。

2026年度予算案の成立とともに27万筆もの反対署名が集まった高額療養費制度の限度額引き上げが成立し、がん患者やその家族など当事者の間に失望が広がっていった。

再審(裁判のやり直し)制度見直しをめぐる改正刑事訴訟法についても、今回の改正によってむしろ再審への道が困難になったと批判されている。

また、与野党で法案作成が進められてきた空襲被害者救済法案は審議に入ることなく廃案となったが、これによって太平洋戦争時に民間人が受けた被害は、一度も調査されることなく保障もないままに終わることになる。

つくづく、歴史を顧みることも、そこから学び反省することもない国だなとため息が出る思いだ。

今回の熊本地震で、避難所に指定されている学校の体育館にエアコンが設置されていない問題(設置率は2割ほど)も、こうした与党の姿勢と地続きなのではないだろうか。

7月30日に為替介入

高市首相は国会閉幕後の会見で「日本はまだデフレを脱却していない」などと語っていたが、日常生活を送っているだけで痛感するインフレ状態(もっと言えばスタグフレーション)のなか、トップが経済を見誤り「円安ホクホク」などと言っているのを見ると、正直言って背筋が凍る思いだ。

そもそも、平和憲法をかかげて「永久に戦争をしません」と言っていた国が、経済力を失いつつあると同時に軍備を増強し平和憲法を捨てる準備をしているのだから、その通貨が海外からの信頼を失うのは当然のなりゆきだと感じてしまう。

日本円がこのままどこまでも沈んでいくのではという懸念の声が高まるなか、7月30日のNY外為市場で円が対ドルで急騰、1ドル=162円後半から一時1ドル=157円台へ約5円円高へと動き、5月中旬以来の円高・ドル安水準となった。

市場では政府・日銀が為替介入に動いた(食料品の消費減税発表に合わせてか?)との観測が出ていたが、まず韓国財務相が日本と連携しての為替介入を認め、その後フィナンシャル・タイムズなどが日米協調の為替介入が行われたと報じた。

日本の国債だけでなく米国債や英国債も記録的な高利率となり、これ以上円安が進むと円キャリートレードの巻き返しも起こって一気に大ごとになるとの判断がなされたのだろうと言われている。

今後の動きに注目したい。