日本は激動する国際情勢に対応できるのか

  1. 高市首相はなぜG7をサボったのか
  2. アメリカの中間選挙とウクライナ
  3. 独裁政権の終焉とブラジル大統領選
  4. 限界に来た資本主義社会への疑念

高市首相はなぜG7をサボったのか

いま開かれている臨時国会で野党が追及している事案のひとつは、「10月2日のG7オンライン首脳会議を高市首相が欠席した件」だ。

「直前に開催が決まった」「モニターが間に合わなかった」「発言機会が一度きりなので」などと言い訳は変わるが、実は会食で飲酒し酔っていたためサボったのではないか?と言われている。

ホルムズ海峡の閉鎖などで原油の在庫が世界的に枯渇している今、国際会議はより重要なはずだし、現にこの会議の結果として日本製EV車がEU市場から閉め出される可能性が取りざたされている。

もともと、高市首相は外交が得意だとはとても思えない。

アメリカのトランプ大統領への対応では媚びる姿勢しか見せず、中国には台湾有事発言や中国大使館侵入事件などについても謝罪せず、イランからの対話の呼びかけには応じることなく、ロシアには首相就任前から出禁を喰らっている始末。

こうしたリーダーのもと、我が国はいま大きく変動しようとする国際社会の流れに対応できるのか、一方的に不利な立場に追い込まれるのではと、ひたすら不安になる。

アメリカの中間選挙とウクライナ

今後の国際情勢を左右するものとして、11月3日に行なわれるアメリカ大統領選の中間選挙が挙げられる。

このところ、全米で大規模な反トランプデモ「No Kingsデモ」が繰り返し行われ、トランプ陣営は劣勢との見方が強まっている。

主な理由のひとつは、ガソリン価格が高騰して国民の不満が高まっていることだ。

アメリカは産油国なのになぜ?と疑問が浮かぶが、アメリカ産のシェールオイルは軽質油(さらさら)で、中東その他の重質なオイルとブレンドする必要があるという。

そこでトランプはプーチンと交渉し、ロシアからの石油輸入を決め、これまでの経済制裁も解除し、ウクライナにロシアの石油精製施設への爆撃を止めるよう求めた。

ウクライナがロシアの石油施設への爆撃を止めないなら、アメリカはミサイルなどの武器輸出を中止すると脅したといわれている。

ゼレンスキーは納得していないだろうが、これでロシアとウクライナの戦争は終結に向かうだろうというのが大方の見方だ。

独裁政権の終焉とブラジル大統領選

それだけではない。どうやら世界は緩やかに静かな変化を起こしているようだ。

今から約6カ月前の4月13日にハンガリーで、16年続いたオルバン首相による独裁政権が、投票率79%の選挙で終焉を迎えた。

10月25日にはセルビアで総選挙があり、学生たちが中心となって作った政党が、14年続いた独裁政権を倒したことが報じられた。

10月26日にはブラジルの大統領選の決選投票があり、現職のルラ大統領が、第1回投票で1位だったトランプの盟友ボルソナロ候補(前大統領の長男)を破り、再選を果たした。

アメリカの大企業などがボルソナロ支援に動いたのに対し、ルラ支持者はSNSや口コミなどで対抗し、逆転の勝利を得たという。

ボルソナロ候補は全体の48%の6000万票を得たものの、選挙の翌日にはこれまでの不正に対する追及を逃れようとアメリカへの亡命を目論んで国外へ出たと報じられている。

限界に来た資本主義社会への疑念

10月27日にイスラエルの総選挙が行われたが、38年ぶりの高い投票率を記録し、ネタニヤフ率いる右派政党リクードは第一党に止まるものの、獲得議席は過半数に達していない。

選挙前には反ネタニヤフの集会に10万人以上が参加したと報じられているし、ネタニヤフは選挙前にイラン攻撃をしようとして軍の司令官と激しく対立したという情報もあるので、風向きが変わってきたのは確かだろう。

ただ、左派のアラブ政党が大きく議席を増やしたものの、この先どのように情勢が変わるのか予断を許さない。

フランスでは連日のように教育の改善を求める学生のデモが行なわれ、多いときには参加者が80万人にも達し、人々の列に警察官も合流したという。

暴動と化しているという報道もあるが、実態はデモに便乗して強奪を働くものがいるということのようだし、宗教対立との言説もデマだと考えていいようだ。

こうした動きは何を意味しているのか。

これまでの政権や社会構造に対して人々が批判を向け始めていること、大企業ばかりを見て政治を行ってきたこれまでの議会制民主主義のありかたが限界に来ていることを、示しているように思える。

右派か左派かといった政治的立ち位置以前に、なぜ真面目に働いていても生活できないのか、なぜ大学に行くのに多額の借金をしなければいけないのか、なぜ望んでもいないのに戦争に巻込まれなければいけないのかといった、人々の本音が露わになっている。

進みすぎた新自由主義というか大資本優遇主義に対しての根本的な疑問の声が、苦しめられている当事者たちから発せられているのではないだろうか。