沖縄、ジャガイモ、イラン、72億円

  1. 沖縄知事選「政権の県政奪還は12年ぶり」
  2. 生ジャガイモ輸入が日本の農業をおびやかす
  3. 高市政権、イランにケンカを売る
  4. 内閣広報室の予算として10倍の72億円を要求

沖縄知事選「政権の県政奪還は12年ぶり」

9月13日日曜日、沖縄県知事選挙および沖縄地方統一選(23市町村議選・3町村長選・2県議補選)の投開票が行われた。

今回の県知事選は事実上、現職で左派系野党が推す玉城デニー候補と、新人で自民・維新や右派系野党が推す古謝源太候補の一騎打ちとなった。

一般に地方自治体の首長選挙は現職が強いとされるが、沖縄県知事の3選はむずかしいとも言われていて、今回も激しい選挙戦が繰り広げられてきた。

投票率は61.57%と高く、いわゆるゼロ打ちで(出口調査などを元に開票開始とほぼ同時に当確を出すこと)新人の古謝源太候補に当選確実が出ると、朝日新聞はネット上で「政権の県政奪還は12年ぶり」との速報を出した。

これに対し、大手新聞はすでにここまで政権に寄りそい大政翼賛化しているのか、地方自治をどう考えているのかとの批判や呆れる声があがり、この速報は削除された。

翌14日、政府・与党は、2027年度の沖縄振興予算について県が求めてきた3千億円超に増やす方向で調整に入ったと報じられ、自民政権が沖縄への予算を削減することで地方自治体を抑圧してきた現実があからさまに示された。

生ジャガイモ輸入が日本の農業をおびやかす

8月に入ったころから、SNSなどで「高市政権が進めようとしているアメリカからの生鮮ジャガイモの輸入は危険だから阻止しよう」という情報が流れはじめた。

ジャガイモは国産で需要の70%をまかなえている農産物であり、輸入の必要はない。

それどころか、生のジャガイモには「ジャガイモシストセンチュウ」という病害虫がついていて、一度入ると根絶がほぼ不可能で10年も15年もその土地での栽培ができなくなるという。

それもジャガイモに限ったことではなく、同じナス科のナスやトマト、ピーマン、シシトウ、トウガラシなども被害を受けることになるというから、影響は大きい。

そもそも、米国は日本産ジャガイモのアメリカへの輸入を病害虫防止を理由に禁止しているし、ジャガイモ以外だと例えば沖縄から本土への生のムラサキイモの持ち込みは病害虫が広がらないようにという理由で許可されていないため、空港でも厳しくチェックされる。

そうした厳しい検疫でそれぞれの地域での農業を守っているのに、専門家の警告に耳を貸すことなく、アメリカにいい顔をしたい高市政権が独断で米国産生ジャガイモの輸入を進めようとしていることに対して、抗議の声が大きくなり、反対の署名運動も広がっている。

高市政権、イランにケンカを売る

2月末にアメリカとイスラエルがイランを攻撃しはじめてから、日本はアメリカ側(そして必然的にイスラエル側)に立ってきたが、イランは一貫して歩み寄りの姿勢を崩さず、「交渉によってホルムズ海峡の通航が可能になる」と言い続けてきた。

それは、日本とイランの長い友好関係を尊重してのことだろう。

だが9月12日、イラン外務省の報道官がついに日本に向けて厳しい調子でこう言った。

「国際原子力機関(IAEA)理事会の反イラン決議に賛成票を投じたサウジアラビア、日本、ヨルダンは、その結果を思い知ることになる。我々は3カ国に責任を取らせる」と。

調べてみると、9月9日のIAEA理事会で、イランが保障措置義務を履行していないとして国連安保理に正式報告すると20年ぶりに決議したことが報じられていた。

だが、その決議に日本が賛成票を投じたことは、NHKと東京新聞の記事の本文には書かれていたが見出しにはなく、読売新聞と日経新聞は本文でも報じていなかった。

国連安保理ではロシアと中国が拒否すると見込まれるので次のアクションに進むことはないだろうが、日本は棄権することもアメリカとイランの仲立ちをすることもできただろうに、なぜわざわざ賛成票を投じたのか。

先日の、三沢基地から米軍戦闘機がイラン攻撃へと向かった、という報道を合わせて思い起こすと、かなり状況がきな臭くなっているなと思えてくる。

高市政権は、中国、ロシア、イランと、次々とケンカを売っているが、いったいどうするつもりなのだろうか。

内閣広報室の予算として10倍の72億円を要求

9月8日にはSNS上で、「72億円」という数字ににわかに注目が集まった。

今年は約7億円だった内閣広報室の来年度の予算として、内閣官房が10倍超の約72億円を2027年度予算の概算要求に盛り込んだことが発覚したため、大きな反発を呼んだものだ。

そのうち約66億円は「国内発信の強化」のためだとされているが、このところ政府が力を入れているように感じられる世論操作が、さらに強化されるのかと気が重くなる。

まるで首相自身のプロモーションビデオのような被災地視察の動画や鈴木農水相の“かぶりもの動画”などのほか、選挙の際にSNSで世論操作をしていると言われる「スマホ農場」などにも政府から資金が出ているのではとの推測も広がっている。

来年は統一地方選もあり、また憲法改正に向けての働きかけも活発になるだろうと予想されているが、そこに1日2000万円もの予算がつくのは民主主義をゆがめるものであり、決して許されるものではない。