年金だけではいくら足りない?
「老後なんてまだまだ先のこと」という人も多いかもしれないが、「人生100年時代に向けて」と銘打って、5月22日に金融庁の審議会が発表した「資産形成の指針案」が話題になっている。
2017年の日本人の平均寿命は女性が87・26歳、男性が81・09歳なのでなかなか100歳までは長生きしないとしても、「老後の生活を賄うのに年金だけでは足りないのである程度の蓄えが必要」といった記事は以前からよく見かける。
たいていは、毎月どのくらいの支出が見込まれるか(退職すると活動範囲が狭まるのでお金がかからなくなるが一方で医療費がかさむ)を考え、年金支給額がいくらの予定だから足りないのは月▲万円程度で余命を考えるとトータルでいくらくらい必要か、といった試算を紹介するものだ。
そうした記事で示される老後資金の不足額は、夫婦二人で少なくて1500万円程度から多いと5000万円、1億円といったものまである。
老後の準備まで手が回らない
今回、金融庁の審議会が発表した「資産形成の指針案」では、夫65歳以上・妻60歳以上で無職の夫婦の場合をシミュレーションすることで、現状の年金支給額でも1300万円から2000万円が不足するとしている。
その対策として示されているのが、個人型の確定拠出年金「iDeCo」や「つみたてNISA」などを使った、若い時からの長期・分散・積み立て投資だ。
結果としてこれまで出されたそうした記事の内容を後追いでほぼ認める形となっているが、「やっぱりそうか」とうなずく人と、「そんなことを言われても」と困惑する人に分かれそうだ。
WEB上には、「年金で老後が賄えないなら、高い保険料を支払っているのは何のためだ」「税金や国民健康保健の保険料などが上がって手取り賃金が減っていく中で、とても自分で老後の準備をするような余裕はない」といった声もみられる。
ではどうするか
人間、歳をとれば働けなくなるのが当たり前なので、老後をどうするかを今から考えておく必要がある。
私たちは年金保険料を支払っているのだから(そうでなくても国は私たちが普通に暮らせるようにする役割を担っているのだから)、老後の面倒をちゃんとみるように強く国に求めていくという考え方もあるだろう。
あるいは、今回金融庁の審議会がアドバイスしているように(たぶんファイナンシャルプランナーもほぼ同じアドバイスをするだろうが)、若い頃から長期の分散型積立投資をするのもありだろう。
もうひとつ考えられるのは、ロバート・キヨサキが言うように資産を増やしていくことでお金を働かせて裕福度を上げていくことだが、その際のポイントは、「今日仕事をやめたとして、あと何日間生き残ることが出来るか」で裕福度を測ることだ。
あなたはどれを選ぶだろうか。