金の価格はどこまで上がるのか
金(ゴールド)の価格が上昇を続けていて、2011年につけたこれまでの最高値を超えてまだ伸びている、というニュースがしばらく前から話題になっている。
チャートを見ると、たしかに2019年の半ばくらいから上げはじめ、この1年ほどで1.5倍近くまで伸びていることがわかる。
- 「そろそろ暴落が来るのか」
- 「いや、下がったとしても調整局面だろう」
- 「とんでもない、まだまだ伸びるよ」
さまざまな予測が飛び交っているが、あなたはトレンドをどう読むだろうか。
ロバート・キヨサキはこれまでも繰り返し「金を買っておけ」と言っていたが、その読みはこの点では当たっていたと言えるだろう。
なぜか株価もそれほど下がらない
「有事の際は金の価格が上がる」と言われていることを考えると、この世界的なコロナ禍のなかで、金の価格が上がっているのは当然だろうと思える。
だがそれならば、株価が大幅に下落しないのはなぜかと、いまひとつ納得できない人も多いのではないだろうか。
たしかに、今年の2月にはダウ平均は3割を超す暴落となったが、それ以降は思ったよりも早く回復しているというのが実感だろう。
新型コロナの感染拡大はいつおさまるのか予測がつかず、景気の見通しもそれほど楽観的ではないのに、いったいなぜだろうか。
余ったお金にはほかに行き先がない?
もちろん、再度下落するのではないか、二番底がくるぞ、という声はずっと聞こえているし、そうした見方のとおりにこれから大きな下落が来るのかもしれない。
だが、そうはならないという気もするのは、結局は、お金が余っていてほかに行き先がないのかもしれない、と感じているからかもしれない。
ここ20年ほどの間に、金融資産を持つのが当然のこととされ、若いころから積み立て預金をしてそれを株式や投資信託で運用する人が増えてきた。
そうした地道な小口の投資家たちは、ほかの投資先を知らず、ほかの投資先を探すほどの積極性を持っていないのかもしれない。
株式市場は今、そうした多くの人々に底支えされているのではないだろうか。