2025年はどんな年?

  1. 韓国の「12.3事態」その後
  2. ガザの状況はさらに悪化か
  3. 日本はどうなる?

韓国の「12.3事態」その後

このところ世界が大きく動いているのを感じてきたが、今年はいったいどんな年になるのだろうか。

年明けから1週間過ぎて、カナダのトルドー首相の辞任やインドネシアのBRICS正式加盟などのニュースが流れている。

ウクライナはどうやら敗戦が確定し終息に向かうようだが、気になるのは隣国である韓国の情勢とイスラエルの動きだ。

韓国で昨年12月3日に起こったユン大統領によるクーデター(韓国では12.3事態と呼ばれる)は、実はいまだに収束していない。

検察から内乱罪の嫌疑で逮捕状が出たものの、大統領は出頭を拒否し警備兵を配置して官邸に立てこもっているため、官邸の周りでは大統領の逮捕を求める市民グループが雪のなか座り込みを続け、一方で大統領を支持するグループも集会をしているという。

座り込みを続ける人びとには、長らく続いた軍事政権が終わりようやく民主化運動が実を結んだのだからこれを守らなければ、という強い思いがあるようだ。

ガザの状況はさらに悪化か

イスラエルは年明け早々からガザ地区に対して大規模な爆撃を開始しかなりの死傷者が出ているが、避難民テントが集中する「人道地区」も例外ではなく、犠牲者には多くの子どもたちが含まれている。

イスラエルがガザ地区への物資を制限しているため物価が高騰し(例えば鶏1羽が100ドル)、寒さと栄養不足でテントで暮らす乳児が凍死したというニュースも後を絶たない。

ガザ北部の大きな病院はすべて爆撃を受けて閉鎖を余儀なくされ、食料も飲料水も毛布も冬服も靴も手に入らないまま雨続きで水浸しとなったテントで生活するのは悲惨だ。

イスラエルはこれまでガザで避難民の支援事業をしてきたUNRWA/ウンルワ(国連パレスチナ難民救済事業機関)の活動さえ禁止する意向だと報道されており、さらに状況が悪化するのではないかと懸念されている。

アメリカのニュースサイトは3日、バイデン政権がイスラエルに対して中距離空対空ミサイル(AMRAAM)など80億ドル(約1兆2500億円)相当の武器を売却することを決めたと報じた。

パレスチナだけでなく、シリアやイエメンに対してのイスラエルの軍事攻撃は残念ながら当分続きそうだ。

日本はどうなる?

日本でも「台湾有事」などと危機感をあおる報道があるが、日本政府の認識だと台湾は中国の一部であり、そこに介入するのは他国の内政に干渉することになるはずだ。

しかしこの台湾有事を口実のひとつとして政府は軍事予算を大幅に増やし、着々と与那国島や石垣島、宮古島、沖縄本島、馬毛島(種子島近くの島)などに軍事基地を建設し、アメリカから型落ちの武器を大量に購入している。

だがはたして、いまの日本にそんな経済的余裕があるのだろうか。

この30年、日本の景気は沈み、2000年にはOECD38カ国中2位だった「1人当たり名目GDP」が2023年には22位となり韓国に抜かれたことが報じられ、2024年にはさらに台湾に抜かれただろうと言われている。

いまや国内の経済格差は大きく広がり、子ども食堂が増え、炊き出しに並ぶ列が長くなり、働く高齢者が目立ち、治安の悪化が明らかになりつつある。

まずは、なんとかしてこの状況を変えていかなければ、明るい未来は見えてこないのではないだろうか。