日本のモラルは自民党から崩壊した?
今年もあと1週間を残すばかりとなった。あなたにとって今年はどんな年だっただろうか。
めでたいはずの元旦に能登半島地震が起こったのは衝撃だったが、その被害が未だに十分には復旧されていない様子を見ても、日本の社会を支える中心的ななにかが失われてしまったのではないかと不安になる。
この1年は自民党安倍派国会議員の裏金問題がずっとくすぶり続け、衆議院選挙では自民党が公認候補としなかったものの、結局起訴もされず実態が明らかにならないままだが、自民党が裏金の一部を寄付することで幕引きにしようとしているという報道を見て唖然とする。
国会議員は立法府の一員であり、英語で言うとlawmakerつまり法律を作る人であるのだから、当然ながら率先して法を遵守しなければならないはずだ。本来なら自ら公表して処罰を受け進んで延滞金を含め納税すべき立場だろう。
国会議員がモラルを欠いたままで恥じることもないような体たらくだから、日本中のたががゆるみ思わぬところで道を踏み外していくのだと思えてならない。
金融業界にはびこるインサイダー取引
11月末に金融界の不祥事についてのニュースを取り上げたが、いずれも金融機関の信用をゆるがす犯罪だ。その後多少の進展があったことが報道されているので見ていこう。
証券取引委員会は今週、金融庁に出向している佐藤壮一郎裁判官(32)をインサイダー取引の疑いで刑事告発した。
佐藤裁判官は出向した4月以降、業務で知った株式公開買い付け(TOB)の情報をもとに10社の株約1000万円分を自分名義で購入し、不正な株取引で数百万円の利益を得たとみられている。
同じく、父親にTOBに関する未公開の情報を流した東京証券取引所の細道慶斗元職員(26)についてもインサイダー取引の疑いで刑事告発したということだ。
父親はこの情報をもとに3銘柄の株1700万円を購入し、数百万円の利益を得ていたという。
銀行の貸金庫は安全なのか?
三井住友信託銀行で自らインサイダー取引をしていた社員は、いわば信託銀行の中枢であり同時に資本市場の管理人でもある証券代行部門の部長だったことが明らかになり、業界内外に衝撃が広がっている。
さらに、三菱UFJ銀行の貸金庫から金品が盗まれていた事件に至っては、未だ容疑者の名前も被害の確かな規模も内容も公表されず全容が不明なままだ。
衆議院の財務金融委員会で川内ひろし議員から質問が出ているが、どうやらこれまでも銀行の貸金庫からの窃盗について金融庁に報告されていて、すぐに件数が答えられない(つまり件数が多い)ということのようだ。
どうやらこの話は三菱UFJ銀行のみにとどまらず、金融業界全体に広がっていきそうな様相を呈してきた。
貸金庫を利用している方は、一度チェックをしてみたほうがいいのかもしれない。