なぜ通貨は価値を持つのか

  1. 国際通貨としてのアメリカドル
  2. ブレトン・ウッズ協定とは何か
  3. オイルダラーの強みと弊害

国際通貨としてのアメリカドル

2か月ほど前、「紙幣はただの紙切れ?」というキーワードで、お金がなぜ価値を持つのかについて書いた。

ロバート・キヨサキも繰り返し書いているように、当然のことながら印刷された紙である紙幣自体に価値があるわけではなく、何らかの価値に裏書きされているからこそ価値を持つことになる。

ある時期までは紙幣は兌換紙幣といって金(ゴールド)と引き換えることが出来るとされ、金の価値によって裏書きされていた。

しかし今では、国の中央銀行がその紙幣を発行しその国の経済力によって裏書きされていることで価値を持っているとされる。

そして、その経済力には当然、国際通貨としての強さも含まれており、たとえばアメリカドルは第二次世界大戦後ずっと国際通貨として機能し、その強さを保ってきた。

ブレトン・ウッズ協定とは何か

歴史の教科書にも載っているように、アメリカドルが国際通貨としての地位を獲得したのは、1944年7月に米国ニューハンプシャー州のブレトン・ウッズで開かれた連合国通貨金融会議での合意に基づいている。

この会議での合意はブレトン・ウッズ協定と呼ばれるが、つまりは金1オンス=35USドルの固定比率で兌換(交換)できるとし、それによって各国通貨との為替相場を一定に保ち、アメリカ合衆国ドルを基軸とした固定為替相場制をつくった。

この協定のおかげで自由貿易が盛んになり、戦後の西側諸国の経済復興をもたらしたとされるが、この体制は1971年8月のニクソンショック(ドルショック)で終わりとなった。

アメリカの金の保有量が足りなくなったことから、ドル紙幣の金兌換を一時停止するとニクソン大統領が突然発表を行い、金本位制に基づいた固定為替相場制は幕を閉じたのだ。

オイルダラーの強みと弊害

しかし、ニクソンショックによって金本位制が崩れても、アメリカドルが国際通貨としての価値を失うことはなかった。

なぜかというと、その3年後の1974年に、ニクソン大統領はサウジアラビアとオイルダラー合意を行ったからだ。

この合意により、各国は石油をアメリカドルで買わなければならなくなり、アメリカドルは今度は石油によって裏書きされることになった。

それは米経済を活性化するとともに、さまざまな弊害をもたらしたとキヨサキは言う。

詳しくは、新刊『金持ち父さんのこうして金持ちはもっと金持ちになる』の第五章を読んでみてほしい。