ファイナンシャル教育はどうして必要か

  1. ファイナンシャル教育の二つの要素
  2. リテラシーは人間の尊厳の源
  3. 正しく判断し解決するインテリジェンスを

ファイナンシャル教育の二つの要素

ロバート・キヨサキの新刊『金持ち父さんの こうして金持ちはもっと金持ちになる』には、「本当のファイナンシャル教育とは何か」というサブタイトルがついている。

ご存じのように、キヨサキはこの20年のあいだ、金持ち父さんシリーズを書くことでファイナンシャル教育の大切さを訴え続けてきた。

彼は、ファイナンシャル教育はファイナンシャル・リテラシーとファイナンシャル・インテリジェンス(ファイナンシャルIQともいう)の2つからなっていると言う。

ファイナンシャル・リテラシーとはお金の言語を理解する能力であり、ファイナンシャル・インテリジェンスとはお金の問題を解決する能力だと、キヨサキは説明する。

リテラシーは人間の尊厳の源

ファイナンシャル・リテラシーはお金に関するものだが、リテラシーとは読み、書き、話し、計算する能力全体をさす言葉で、昔でいえば「読み書きそろばん」といったところだろう。

これは、人間にとって社会で生きていくために必要不可欠なものだ。

ほとんどの社会では読み書き計算ができるのが当たり前になっているので、学校に行けないなどの理由で学べなかった場合には、それを隠して生きていくことになってしまう。

そうなると、さまざまな場面で不利なことが起こるだけでなく、自分自身の誇りや尊厳さえも損なわれることになってしまう。

小学校の段階でリテラシーを満足に身に付けることができなかった子供は、その後の人生において、学校を中退したり刑務所に入ったり生活保護を受けたりといったトラブルをかかえるリスクが高い、という統計もあるようだ。

正しく判断し解決するインテリジェンスを

ファイナンシャル・リテラシーがあり、お金に関する読み書きができたとして、さらに必要となるのがファイナンシャル・インテリジェンス、つまりお金の問題を正しく判断し解決する能力だ。

お金に関する読み書きができたら、次に必要なのはファイナンシャル・インテリジェンスだ。

ファイナンシャル・インテリジェンスが欠如していると、いろいろ問題が起こるとキヨサキは言う。たとえばこんなことだ。

  • イライラして、自尊心を失い、硬直してしまう。
  • 現実が見えなくなり、偏見を抱き、判断を誤ることになる。
  • 被害者意識を持ち、人生を憎み、不道徳な行為をしてしまう。

思い当たることはないだろうか。そんなことにならないよう、お金について学び、冷静で正しい判断ができるように能力を磨こう。