格差が拡大していく理由

  1. ホームレスと富裕層
  2. 格差を拡大する5つの要因
  3. 格差が拡大すると社会が不安定に

ホームレスと富裕層

報道によると、米国では13~25歳の若年層ホームレスが400万人以上にのぼっているという、シカゴ大学の報告書が先日発表された。

この数字は、路上で暮らす人から友人の家を泊まり歩いている人までを含み、これまで調査などから漏れがちだった、こうした人々の実態を初めて明らかにしたものだという。

一方、クレディ・スイスの最近のレポートによると、2007年の金融危機以降、富の増大が全世界で加速しているものの、その恩恵を受けている層は一部に限られ、「世界人口の10%未満の人々だけで世界の富全体の86%を所有している」という。

こんなふうに格差はますます拡大しているが、ロバート・キヨサキは、『金持ち父さんの こうして金持ちはもっと金持ちになる』のなかでその拡大の理由を5つあげている。

格差を拡大する5つの要因

  1. グローバリゼーションにより、仕事が低賃金の国に流れる。
  2. テクノロジーにより、ロボットやソフトウェア、AIなどが労働者に代わって仕事をするようになる。
  3. 金融化(金融工学)により、お金を持たない層がより搾取される仕組みが作られる。
  4. 権力の私物化(クレプトクラシー=泥棒政治)により、権力の座にいる者が私腹を肥やしていく。
  5. ベビーブーマー世代の破綻により、中流層が没落していく。

格差が拡大すると社会が不安定に

キヨサキが挙げているこうした要因によって、アメリカやヨーロッパ、日本などではますます格差が拡大している。

世界中で富が増大したとしても、その恩恵を受けるのが一部の人に限られるとしたら、残りの部分の人々のあいだで不満や不安がつのり、決していい結果を招かないだろう。

不満をもつ人々が暴動をおこしたり、それを武力で弾圧する、といったことまで起こるかもしれない。

富がごく一部だけに偏在し、社会が不安定な状況になっていくとしたら、はたして世界は豊かになったと言えるのだろうか。