キヨサキの警告
今年は『金持ち父さん 貧乏父さん』英語版刊行から20年目にあたり、それを記念して、この本の大学院と位置づけた上級編『金持ち父さんの こうして金持ちはもっと金持ちになる』が10月25日に筑摩書房から刊行される。
新刊の刊行にさきがけて、先日この欄でもお知らせしたようにロバート・キヨサキが来日し、10月17日に東京新宿の紀伊國屋本店で来日記念のミニトークが行われた。
ステージに現われたキヨサキは、日系四世である自分と日本とのつながりから話を初め、お金とファイナンシャル教育について語り、そして世界経済の先行きについての分析と警告を行った。
どんな警告か、かいつまんで紹介しよう。
大暴落が起こる?
キヨサキは「2016年前後に市場の大暴落が来る」と以前から警告してきたが、その主張は一貫している。
大暴落が起こる理由は、キヨサキが最近の著書で繰り返し説明しているように、つまりは各国の中央銀行がお金をせっせと印刷しているからだ。
通貨はその国の経済力と信用をよりどころとして発行されたものであるから、発行すればするほど当然単位通貨あたりの価値は下がっていく。
一定の価値のものを手に入れるのに必要な通貨の量は、通貨が価値を失うのに反比例してどんどん多くなっていく。
そしてついには、通貨自体に価値がないとみなされてしまい、貨幣システム自体が破綻することになる。
大暴落にどう対処するか
そのとき経済はどうなるのかというと、ハイパーインフレが来てせっかく貯金したお金は価値を失い、食料や雑貨やガソリンなど生活必需品を買うためにより多くのお金が必要となる。
生活のために人々は家や株を売り払うことになり、真の投資家はチャンスとばかりに資産を買い込む。
そうした事態にそなえてできることは、暴落をチャンスとして新たな資産に投資するだけの知識を身に付けた投資家になることだ。
だが、もしお金の勉強がそれまでに間に合わないと思ったら、すぐにできることがある、とキヨサキは言う。
「いますぐ銀行へ行ってお金を下ろし、金貨銀貨を買いなさい」これがキヨサキのメッセージだ。
この警告をあなたはどう受け止めるだろうか。