いい所得と悪い所得

  1. 昇給を求めてはいけない
  2. 所得には3種類がある
  3. 不労所得のために働くべき

昇給を求めてはいけない

「金持ちになりたかったら昇給を求めてはいけない。その代わり、どうやったらもっと多くの人にサービスを提供できるか考え始めるんだ。実際のところ、金持ちになろうと真剣に考えている人は決して昇給を求めてはいけない。給料が上がったとしても、きみは『間違った』種類のお金のために働いているんだ」

「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」(筑摩書房)に出てくる金持ち父さんの教えだ。

昇給を喜ぶのは普通のことだから、この教えは意外に感じる人が多いかもしれない。

キャッシュフロー101の中での扱いもこの教えと同じだが、そもそもゲームには昇給というイベントがなく、つまり昇給や給料というものがそこまで大事には扱われていない。

金持ち父さんの教えでは、金持ちになる上においては、昇給を求めて働くのは、「悪い所得」のために働く、ということに他ならないからだ。

所得には3種類がある

所得には次の3種類があり、簡潔に書くと以下のような内容になっている。

1.勤労所得…給料という形で入ってくる。

2.ポートフォリオ所得…株式や債券、投資信託などの「紙の資産」から入る所得。

3.不労所得…一般に、不動産から入る所得。特許の使用料や、歌曲、著作、そのほかの知的財産から得られる印税も。

金持ち父さんは、最悪な所得は勤労所得だとしている。その理由は、以下の4つだ。

1.一番多く課税される所得で、しかも、税金の額や支払い時期に対して、本人のコントロールが最も効かない所得だから。

2.勤労所得を得るには自分自身がせっせと働かなければならず、そのために貴重な時間がとられるから。

3.勤労所得にはレバレッジがほとんど効かないから。この所得を増やすためにたいていの人がとる方法は、労働の量を増やすことだ。

4.労働に対する残存価値がない場合が多いから。つまり、価値が残らず、働いて給料をもらっても、また給料をもらうために働かなければならない。金持ち父さんの考えでは、このような所得のために働くことには、レバレッジを生む可能性がほとんどなかった。

不労所得のために働くべき

金持ち父さんのお気に入りは、不労所得だったという。

必要な労働量が最も少なく、多くの場合支払うべき税金も最も少なく、長期に渡って安定していて、かなり高い率で見返りをもたらしてくれるからである。

労働量が減る一方で、ますます多くの人にサービスを提供することができ、年をとるごとに収入を増やしていけるからなのだ。

キャッシュフロー101においても、給料を増やす術はないが、不労所得を増やす術はいくらでもある。

不動産投資などによって不労所得を増やしていくことが、ゲームのクリアにつながっているのは、そうした「いい所得」の増やし方を伝えるためなのである。