ヘンリー・フォードは言った。
ロバート・キヨサキが「金持ち父さんシリーズ」(筑摩書房刊)のなかで好んで引用する言葉の一つに、ヘンリー・フォードの次のような言葉がある。
「あなたができると思うならあなたはできる。あなたができないと思うならできない。どちらの場合も、あなたは正しい」
これはなかなか深い言葉だと思う。
たとえば、何かに成功した人の話を聞くときに、自分にもできるかもしれないと思って聞くか、とてもできそうもないと思って聞くかによって、話の理解度も違ってくるだろう。
「あの人はたまたま成功しただけだよ」
キヨサキの「金持ち父さんシリーズ」を読んだ感想としてよく聞くのは、「この人はたまたまいいタイミングで投資をしたから儲かっているだけで、普通はこんなにうまくいくはずがない。もしも市場が暴落すれば、破産するのが落ちだ」といった感想だ。
「金持ち父さんシリーズ」だけでなく、投資についての本を読んで、こういったことを言う人は多い。
投資についての本は著者自身の成功体験を語ったものも多く、なかには「たまたま成功しただけ」と言いたくなるようなものもあることは否定できない。
けれど、最初からそう思って読むのと、どこかに学べることや自分にも生かせることがあるのではないかと思って読むのとでは、得るものに大きく差がついてしまう。
批評家でいるよりも実践者になろう
大事なのはつまり、本を読んだり人の話を聞いたりする際に、学ぶ態勢ができているか、その情報を受け入れる態勢になっているかどうかだ。
あなたが最初から「こんなことはできない」と思って本を読めば、たしかに「あなたにはできない」というのが「正しい」ことになる。
他人の試みを批評する立場で見ているのはある種カッコよく見えるのかもしれないし、今の立ち位置から動かないでいれば大きく間違うことはないかもしれないが、それでは自分自身の進歩や変化を期待することはできない。
まずは自分で学び、考え、よちよち歩きから始めてみよう。