中流階級が消えていく

  1. 格差が拡大する
  2. 社会が直面する深刻な問題
  3. 自分で自分の面倒をみる

格差が拡大する

ロバート・キヨサキは以前から、中流階級が減少し、金持ちと貧乏の2つの階層に分かれていくことを心配していた。

ドナルド・トランプとの共著『あなたに金持ちになってほしい』(筑摩書房刊)のなかでも、キヨサキはこの問題をとりあげている。

2006年4月16日、ニューヨークタイムズ紙の日曜版の一面に、日本についての次のような記事が載った。

「かつて『一億層中流』というスローガンで自らのイメージを捉えていたこの国で今、『勝ち組』『負け組』といった流行語で人々が厳しく選り分けられ、国を評するのに『格差社会』という言葉が生まれている。」

このような傾向はもちろん日本だけではなく、アメリカやヨーロッパでも鮮明になっている、とキヨサキは言う。

最近ニュースなどで報じられているOccupy Wall Streetのデモなども、こうした社会の変化に対する怒りの表明として生まれたものだ。

社会が直面する深刻な問題

なぜこのようなことが起こっているのだろうか。

それをさぐるために、今私たちの身に差し迫った問題をピックアップしてみよう。

1.ドルの価値が下落している。

2.国の借金が増大している。

3.団塊の世代が定年の時期を迎える。

4.石油の価格が高騰している。

5.金持ちとそれ以外の人々の格差が拡大している。

6.賃金が下がっている。

7.雇用が海外に流出している。

8.社会保障制度が破綻しつつある。

9.人々の貯蓄が価値を失っている。

10.ファイナンシャル教育が行われていない。

ロバート・キヨサキはこうした問題点をあげ、個人が抱がえる問題を政府が解決してくれると期待することで、わたしたちは泥沼から抜け出せなくなっているのではないかと言う。

驚いたことに、ロバート・キヨサキがあげている問題点は、ほぼそのまま日本にもあてはまるのだ。

自分で自分の面倒をみる

アメリカでも日本でも、国の借金が増大し、もはや限界まで来ていると言ってもいい。

政府はもはや、国民の面倒を見ることができなくなっている。

政府が私たちの面倒を見られないのなら、自分たちでなんとかするしかない。

そのためには、ファイナンシャル・インテリジェンスを高め、自分でお金の問題を解決するしかない。

ファイナンシャル・インテリジェンスを高めることで自分の問題が解決できたら、それをまわりの人に教えてあげることができる。

政府をたよって文句を言うよりも、まず行動してみることが大切だ。