借金のアンフェア・アドバンテージ

  1. お金の価値は下がる一方
  2. 安易なキャッシングには要注意
  3. 銀行はお金を貸すことで儲ける

お金の価値は下がる一方

『金持ち父さんのアンフェア・アドバンテージ』(筑摩書房刊)のなかで、ロバート・キヨサキはアンフェア・アドバンテージ(知っている人だけが得をする大事なこと)のひとつとして「借金」をとりあげている。

「1971年にアメリカが金本位制をやめ、アメリカドルが本当のお金ではなくなった時から、貯金をする人が敗者に、借金をする人が勝者になった」とキヨサキは言う。

各国政府が贋金(金銀などの裏付けのない紙幣)をどんどん印刷していることで、お金の価値は下がる一方となり、インフレが起こり税金も上がっていく。

祖父母や親の世代がしていたように一生懸命働いて貯金をしたとしても、お金の価値が下がっていくのだから、むしろ借金をうまく利用することを学ぶ必要がある、というのがキヨサキの指摘だ。

だからといって、キヨサキはやみくもに借金せよと言っているわけではもちろんないし、貯金は必要ないからするなと言っているわけでもないから、そこは押さえておきたい。

安易なキャッシングには要注意

今、世の中にはお金が余っていて、金融機関は貸し出す先を血眼で探していることは、ちょっと注意していればだれにでもわかる。

インターネットや電車の中吊りにも、「あなたも無審査で今すぐキャッシングできます!」とか、「銀行のカードローンが借りやすくなりました」「デートなのにお財布がピンチ!? そんなときすぐ借りられます」といった広告があふれているからだ。

利率はどのくらいかと見ると、借入額その他の条件で違ってくるようだが3%~13%とのことなので、住宅ローンの優遇金利が1%を切っているのを考えればかなり高いことがわかる。

もちろん、小口の貸付であること、担保も取らず、無審査か、あっても簡単な審査であることを考えると(手間ばかりかかってリスクは高いという理由で)利率が高いのも仕方がないのかもしれない。

だが、もしもキャッシングして「リボ払い」などで返済していくと、その借金のために一生働き続けることになりかねないので十分注意したい。

銀行はお金を貸すことで儲ける

私たちは銀行とはお金を預けるところだと思いがちだが、本当は、銀行はお金を貸すことで儲けている。

『金持ち父さん 貧乏父さん』のなかで、預金は私たちにとっては資産だが、銀行にとっては負債だ、と言われていたのを思い出そう。

銀行が私たちの預金をもとに、どのようにしてお金を作り出し、それを貸して儲けているかについては、『金持ち父さんのアンフェア・アドバンテージ』のなかで説明されているので、興味のある方はぜひ読んでみてほしい。

世の中にはお金が有り余っていて、銀行はお金を借りてもらいたがっているし、税制は借金があれば優遇するような仕組みを作っている(たとえば不動産投資などの場合を見れば明らかだ)。

足りないのは、借金をうまく使って継続的に儲けを生み出せるようなシステム、つまり投資やビジネスを見つけだし、組み立てることだけだ。

学び、考え、行動し、さらに頭を使って、新しい資産を生み出そう。