嘘をついてはいけない

  1. インテグリティ(一貫性)の大切さ
  2. ビジネスは約束の積み重ね
  3. 事後に書類を書き換えてはいけない

インテグリティ(一貫性)の大切さ

ロバート・キヨサキは、『金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法』(筑摩書房刊)などの著書で、金持ちになるためにはインテグリティ(一貫性)が重要だと繰り返している。

ここで言うインテグリティ、一貫性とは、嘘をつかないことであり、言葉と行いにずれがないことであり、約束を守ることであり、行動に筋がとおっていることだ。

金持ち父さんはキヨサキにこう言った。「人は言葉と行いが一致してはじめてそれだけの価値を持つ。言った通りのことをしない人は、大した人間ではない」

つまり自分の言ったことに責任を持ち、言葉と行いにずれがなければ、人から信頼されてビジネスもうまくいき、結果としてお金が集まってくるという教えだ。

ビジネスは約束の積み重ね

インテグリティ(一貫性)は当然ながら、ビジネスなどでも大事になる。

たとえば、ある製品を5万円で1000台買うという話で合意していたのに、いざ契約書を交わそうとしたら5万ではなく3万で売ってくれと言われたら、話を最初からやり直すしかない。

あるいは合意の上で契約書を交わしたとして、いざ品物が届いてみたら見本とは違った劣悪なものだったとか、契約書どおりに品物を受け取ったのに支払いをとりきめた期日までにしないとか、そういった約束破りを一度でもすると、これまでの信頼を失うことになる。

つまり、嘘をついてはいけないという基本を守ることが大事だが、これはビジネスだけでなくあらゆる分野で真実だと言えよう。

事後に書類を書き換えてはいけない

私たちは民主主義国家に暮らしているが、民主主義もさまざまな約束で成り立っている。

私たちの生活の基盤となる行政(役所の仕事)はすべてを記録し、文書として保管し、それをもとにしてさまざまなことが進んでいく。

しかし、いま国会で取り上げられている森友文書問題を見ると、決裁書をあとから改ざんし、22ページも削って国会の場に提出していることがはっきりした。

そこには、安倍首相や昭恵夫人の名前も出て来ると報道されているが、決まった後の決裁書を隠ぺいしたり削ったり改ざんしたりするのは基本ルールに反し、やってはいけないことだ。

いま日本の、国としてのインテグリティが問われている。