行動する前にまず学べ

  1. 女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」
  2. 過大な融資がなされていた?
  3. レバレッジがかけられる投資だからこそ勉強を

女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」

最近、不動産投資のトラブルとして報道されているのが、女性向けのシェアハウス「かぼちゃの馬車」だ。

これを運営する株式会社スマートデイズは2013年に創業し、都内の駅から15分以内の場所に、7㎡程度の部屋10室から14室ほどで共用リビングなし、というシェアハウス物件を建てて販売し、これをサブリースするという手法で業績を伸ばしてきた。

物件価格は、とうぜん立地などで左右されるが、だいたい部屋数×1000万円というところらしい。

つまり投資した人たちは、女性向けシェアハウスに特化した1億円を超える物件を、かなりの借金をして買ったわけだが、スマートデイズからの家賃振込が2017年10月に減額され、2018年1月にはついに全額ストップするという事態になり、返済不能に陥ったという。

過大な融資がなされていた?

「かぼちゃの馬車」は「定額家賃保証で安心して投資できます」と宣伝し、オーナーは700名近くまで拡大していたようだ。

だが、実際には7㎡とかなり狭い作りのためか空室も多かったため、スマートデイズは新規に物件を建設・販売した利益をサブリースの支払いにまわして事業を拡大しており、それが追い付かなくなって破綻した、ということらしい。

投資した人たちは、S銀行から金利3.5%あるいは4.5%、30年返済という条件でフルローンで借入をし、なかには、あわせて諸費用ローンを金利7.5%という高金利で借りている人もいるようだ。

一部報道によると融資の際に、通帳コピーの改ざんなどでの資産水増しや、実際より高い価格での契約書の作成、あるいは業者が顧客の口座にお金を入れる「見せ金」などの不正行為があったとも言われている。

レバレッジがかけられる投資だからこそ勉強を

今回「かぼちゃの馬車」に投資していたのは、一般の会社員や公務員などが多いようだが、不動産投資という言葉がここ十数年で一般的になったこともあり、ハードルが下がってきたこともあるだろう。

だが一方で、不動産投資人気の高まりや金融緩和による金余りで物件価格が全般的に上昇し、中古アパートが割高になったために新築物件や地方の古家、シェアハウスなどに人気が移るという動きが数年前から始まっている。

冷静に見ればこのケースも、新築時の家賃がそのまま30年も維持できるわけがないので最初からかなり危うい計画だったと言うべきであり、ある程度勉強している人なら投資しなかったのではないかと思えてくる。

不動産投資は他の投資と比べて銀行などからの借入れがしやすく、それゆえに投資額も大きい。くれぐれも投資する前によく学び、よく考え、慎重に決断し行動することが大事だと言えるだろう。