インカムゲインを得るのが基本
ご存じのように、投資により得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2種類がある。
インカムゲインとは、投資した資産を持っている間にその資産が生み出す収益のことで、株式の配当金や投資信託の分配金、不動産の家賃収入、起業したビジネスの収益などがこれにあたる。
キャピタルゲインとは、持っていた資産を売却した時に出る売却益のことで、FXや株式の短期売買などはこれを主な目的として行う。
ロバート・キヨサキは、インカムゲインを生む資産を持つのが投資の基本的な目的だと考えているが、キャピタルゲインを否定しているわけではもちろんない。
売却で利益を確定する
なぜなら、投資する先の市場はいつも動いていて、資産の価値が変動するからだ。
インカムゲインを生む資産の価値が上がり、売却すれば一定以上のキャピタルゲインが得られることが明らかなとき、売って利益を確定するのは理にかなったことだろう。
たとえば、起業して成功したビジネスを大金で買いたいという企業に売却する場合や、持っている不動産物件が値上がりしたので売却する場合がこれにあたる。
それまで得ていたインカムゲインがこの先入ってこなくなるのを差し引いてもプラスになるという判断が成り立てば、できるだけ高値で売り抜けようという考えになる。
いまは「売り時」?
日本でも2000年頃から一般的になってきた不動産投資だが、いま物件の価格が上昇して「売り時」だと言われているようだ。
不動産投資の人気が高くなっている、物件数は限られている、金余りで銀行の融資基準がゆるい、などの条件が重なり、都市部の中古投資物件の価格が上昇している。
これまで投資をしてきた人たちは手持ちの中古物件を売却していったん利益を確定し、新たに新築の物件に投資したり、太陽光発電に回したりしているらしい。
不動産投資に興味のある人は、こうした「市場の波」に敏感になって、波に流されず、むしろ波に乗れるようになっておく必要がありそうだ。