投資信託33兆円の過大評価?

  1. 日銀の統計ミス?
  2. 「貯蓄から投資へ」のはずだったのに
  3. 日銀のETF保有残高は25兆円超

日銀の統計ミス?

投資信託というと、みなさんどんなイメージを持っているだろうか。

ロバート・キヨサキは「金持ち父さんシリーズ」のなかであまり投資信託を勧めていないし、キャッシュフローゲームをしたことのある人なら、「ほとんど値動きのないもの」というイメージをもっているかもしれない。

投資信託は一般には、「投資初心者向きの手堅い金融商品」というイメージで売られていて、最近では郵便局などでも扱っているため、以前よりはずっと身近なものになっているはずだ。

だが、そんな投資信託の家計保有額が30兆円以上も過大評価されていたという、驚くべきニュースが7月23日に流れた。

「貯蓄から投資へ」のはずだったのに

2017年12月時点で109兆円とされていた家計の投資信託保有額は、実際は33兆円少ない76兆円、つまり約3割も過大評価されていたということになる。

日銀は、ゆうちょ銀行が保有している投信の額を誤って家計保有分として計算していたことが判明したためとし、さかのぼって数字を訂正している。

それによれば、順調に拡大しているとされていた家計における投資信託保有額の割合は、2014年の4.6%がピークで、それ以降減少していることがわかった。

「貯蓄から投資へ」と言われ、NISAやiDeCoなどのしくみもつくられてきたのに、家計の投資信託保有額が実は伸びていなかったことに、業界ではショックが広がっているとも報じられている。

日銀のETF保有残高は25兆円超

また、日銀といえばさまざまな経済動向の調査などをしている機関であり、このような統計の「ミス」があったとはにわかに信じがたいという声も上がっている。

さらに日銀といえば、上場投資信託(ETF)を通じた保有残高が増えていることも気になる。

その額は時価25兆円に達していて、3月末時点で上場企業の約4割で上位10位以内の「大株主」になったと報じられている。

株高になっているのを喜ぶ人は多いだろうが、日銀は買った株を売ることができるのか、その点がずっと引っかかっている。