日本経済のゆくえは?

  1. いよいよバブル後最高値を更新か
  2. GDPはドイツに抜かれ世界第4位に
  3. 消費税還付金が1兆9千億円

いよいよバブル後最高値を更新か

日経平均株価は今年初めから2月半ばまでですでに15%ほど上昇し、いよいよバブル後最高値を更新するかと期待する声も聞かれるようになった。

これまでの最高値は1989年12月29日につけた3万8,915円87銭だが、2月16日には3万8,487円24銭とあと400円ほどのところまで迫っているからだ。

一見すると日本株は好調だと思えるニュースだが、逆に言えば、35年も前のバブル期の日経平均株価をいまだに超えられずにいる日本経済の現状を改めて認識させられる。

比較のためにダウ平均株価を見ると、1989年当時2700ドル台だったのが今は3万8000ドル台とほぼ14倍になっている。日米の差がどれほど大きいのかと愕然とする。

GDPはドイツに抜かれ世界第4位に

この日経平均株価上昇の話題と平行して、日本の景気が低迷しているというニュースがいくつも流れてくる。

1月に発表された昨年11月の実質賃金を見ると、連続20カ月マイナスが続いていることがわかる。賃金は上昇しているものの、物価の上昇に追いついていないのが現状だ。

また、内閣府は2月15日に2023年10~12月の国内総生産(GDP)を発表したが、2四半期連続でマイナス成長となり、日本は景気後退(リセッション)に入ったと海外で報じられている。

さらに、日本のGDPがドイツに抜かれて世界4位に転落し、1人あたりGDPでは世界44位でG7ワーストとなったというニュースも流れている。

これは円安のせいだと思っている人もいるかもしれないが、円建てで見てもこの30年ほど日本だけGDPが伸びていないことは認識しておいたほうがいいだろう。

消費税還付金が1兆9千億円

そして貧困層の増加が止まらない。炊き出しに並ぶ人数が増え、働く高齢者を見かける頻度も増え、教育現場からは満足に食べられない子やお風呂に入れない子の存在が報告されている。

消費税が導入されたのはバブル末期の1989年だが、そこから日本経済の低迷が始まったという指摘がある。

社会福祉に使われるという名目で3%から始まり段階的に10%まで税率が上げられてきたが、消費税の本質は実は輸出企業優遇税制であり、現に2022年度を見るとトヨタ自動車など輸出大企業20社が国から還付された消費税還付金額が1兆9千億円に達している。

これが中小企業や消費者を圧迫し、内需を押し下げ、GDPを低迷させているのではないかという批判をよそに、経団連などは消費税を19%まで上げることを求めているという。

日本の税収は3年連続で過去最高を記録しているというが、その税金が悩み苦しむ人の少ない、よりよい社会を作るために使われてほしいと願っている。