自民党は統一教会と縁を切れるのか

  1. 新内閣三役の約半数が関係
  2. ソウルで追悼献花式が行われる
  3. 億単位の献金でトラブルも

新内閣三役の約半数が関係

8月10日に岸田内閣の改造が行われた。

統一教会との関係が明らかになった閣僚をはずしてイメージを一新するために行ったはずが、新メンバーが明らかになってみると、むしろ政務三役(大臣・副大臣・政務官を言う)の少なくとも半分が統一教会との関係を持っていることが明らかになった。

そうした関係を指摘されても、本人は「そういう団体とは知らなかった」と言い、あるいは「総理には事前に言ってあったのに選ばれた」と責任を逃れようとする。

さらには内閣が、旧統一教会と政務三役の関係について「調査を行う必要はない」という政府答弁書を閣議決定するに至った。

また政務三役以外だが、自民党政調会長となった萩生田光一は、旧統一教会とのより深い結びつきがあるとも言われている。

ソウルで追悼献花式が行われる

内閣改造から2日後の8月12日、ソウルで統一教会系UPFが行った『Summit 2022 & Leadership Conference』において、安倍晋三元首相への追悼献花式が盛大に催された。

いわば9月末の日本での国葬に先行する形で「統一教会葬」が行われた形となったと言えよう。

トランプ元アメリカ大統領などもメッセージを寄せたが、実はこれには1億3000万円が支払われているようだ。

昨年はこの催しに、安倍元首相がメッセージを寄せており、「旧統一教会との関係を隠さなくなったのか」と一部で衝撃が走ったが、やはりこのときも大きな額のお金が動いたと考えるのが順当だろう。

億単位の献金でトラブルも

安倍元首相の死から旧統一教会についての報道が増えたが、それとともに同教会と信者の献金トラブルについての相談が10倍にも増えているという。

内閣改造と同じ日に行った会見で協会側は、過去にも霊感商法なるものを行ったことはないと主張したが、マスコミ報道でそのマニュアルの存在が明らかになっている。

最近ではトラブルが発覚しないよう、献金の額に応じて物を授けるといった形になっているようだが、その額は数百万、数千万円単位と高額で、億を超える場合も少なくないという。

正体を明かさずに近づき、「先祖が地獄で苦しんでいる」「献金することでしかあなたも家族も救われない」といった言葉で洗脳(あるいは脅迫)し巨額の献金を集めている組織が、宗教法人という名にふさわしいとは思えない。

その実態を知りながら、票と引き替えに広告塔の役目を担った政治家も、とうてい許されるべきではないだろう。