確定拠出型年金への移行
今年から、高校の家庭科の授業で金融教育が必修になるというので、ちょっと教科書をのぞいてみた。
これまでの家計管理や商品・サービスの売買契約といった内容に加え、金融商品の特徴、ライフプランニング、資産形成なども学んでいくようだ。
政府が預金から株式や投資信託など金融資産への誘導を進めるなか、 iDeCoやNISAなどが一般的になってきたため、それに合わせて学校教育に盛り込んできたと言えるだろう。
またこれは、キヨサキが「改訂版 金持ち父さん貧乏父さん」(筑摩書房刊)で言っていた、確定給付型年金から確定拠出型年金への移行作業の一環だという見方もできる。
日本では、2000年頃からそれまで手厚かった大企業の企業年金の見直しが始まり、裁判など起こされながらも削減されてきたが、その動きが終盤に近づいてきたことがわかる。
だれもが投資家になる時代

つまりは、だれもが投資家にならなければいけない時代に移行したので、学校教育で基礎を教えることにした、というわけだ。
以前から、アメリカでは本格的な金融教育が行われているのに日本ではやらないのか?という声はあったし、何事も知っておくのは知らないよりもいいことだろう。
だが当然ながら、そうした知識を得たからといって、すぐに投資やお金について理解したことにはならない。
むしろ、そのまま株式市場や投資信託に誘導されて終わり、ということになる可能性すらある。
ちょうど、海外の証券会社が日本市場に参入することが可能になったというニュースも流れていて、なんとも絶妙なタイミングだという気もする。
自分自身の未来を描く
私たちが真に学ぶ必要があるのはむしろ、お金とどう付き合うか、自分でどのような未来を描きそのためにお金をどうコントロールしていくか、どんな投資を何のためにどう行うのか、ということだろう。
できれば、合わせて税金やその使われ方、社会保険料のしくみ、確定申告のやりかた、起業のしかたなども、学んでおいた方がいい。
自分のパートナー、家族、子供たちと、お金について話そう。
自分自身のビジョンを描き、必要なことを学び、どのような投資をするのか決めよう。