銀行と不動産投資

  1. 他人のお金を使って投資する
  2. 不動産投資には融資がしやすい
  3. 本当にフルローンが理想か?

他人のお金を使って投資する

ロバート・キヨサキが『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房刊)をはじめとする「金持ち父さん」シリーズで伝えようとしているのは、簡単に言ってしまえば「自分のビジネスを持て」ということだ。

「自分のビジネスを持つ」とはつまり、他人に雇われて得る給与以外の収入を確保することであり、そこにはキャッシュフローゲームに出て来るような、さまざまな形の投資や起業などが含まれる。

彼がさまざまな投資のなかでよく不動産投資をとりあげるのは、キヨサキ自身やパートナーであるキム・キヨサキがこの分野に詳しいことや、税金の面でもいろいろな優遇措置が利用できることなどが理由としてあげられる。

しかし、一番の理由は、不動産投資なら比較的容易に、銀行からの借金、つまり他人のお金を使って投資ができるからだ。これは世界中どこでもほぼ共通に言えることだ。

不動産投資には融資がしやすい

もちろん、銀行から借金をするためには何らかの担保が必要であり、不動産投資に融資をする際には銀行はその不動産を担保にとることが一般的だ。

ロバート・キヨサキの最新刊『金持ち父さんの こうして金持ちはもっと金持ちになる』(筑摩書房刊)のなかで公認会計士のトム・ホイールライトも指摘しているように、銀行が不動産投資にはお金を貸しやすいのは、他のものに比べて不動産の評価が変動しにくいし、万が一返済が滞ったら銀行は担保物件を売却することで融資を回収することができるからだ。

いま、不動産投資と銀行という話題で言うと、スルガ銀行の不動産投資への不正融資で疑惑が噴出しているが、しばらく前まではスルガ銀行は「収益性がずば抜けて高い銀行」として金融庁も称賛するほどの勢いだった。

しかし前にも書いたように、スルガ銀行の融資では、顧客の預金通帳の残高の改ざんや口座への一時的な入金「見せ金」などの手口でオーナー候補者の資産を多く見せたり、投資物件の賃料や入居率をごまかして優良物件に見せかけるなどの不正が行われ、サラ金と同様の利率で融資が行われていたという。

本当にフルローンが理想か?

ある時期まで、「不動産投資をするなら自己資金なしのフルローンが理想的」とあおるブームがあったが、こうした流れに乗って無理のある融資を受けた不動産投資の場合、いつか破綻することになるかもしれない。

フルローンで不動産を購入すると、とうぜん借入の返済額が多くなり、手元に残るキャッシュフローが少なくなるし、当初の予想よりも入居率や賃料が下がればさらに余裕がなくなるからだ。

最終的にリスクを負うのは、投資をおこなうあなた自身であるから、投資を行うときは人の意見をうのみにせず、あくまでも自分の頭で考えて行うことが重要だ。

このことを忘れないようにしよう。