金持ちには営業力が必要
金持ちになる上で、必要不可欠な能力の一つが、営業力である。
物を売るにしても、人を使うにしても、資金を集めるにしても、ビジネスにおいてはどん局面においても営業力が要求されてくるからだ。
携帯版「キャッシュフロー101」で学んだことを現実での投資に生かそうとする際にも、非常に重要になってくる。
金持ち父さんのアドバイザー・シリーズ、ブレア・シンガー著「セールス・ドッグ」(筑摩書房)には、営業についてのアドバイスが凝縮されているので、その一部をここで紹介する。
同書によれば、実際の営業活動には、高度な技術というものは存在しない。
営業のサイクルは非常にシンプルで、大きく分けると以下の3要素に大別できるという。
①見込み客をつかまえる
②アポイント──電話または訪問
③アレンジ(クロージング)
次に、3要素のそれぞれにおいて、具体的に必要な行動を紹介する。
知り合いにアタックする
「①見込み客をつかまえる」は、以下の3工程でできている。
1.まずは知り合いに話をする
2.一番やりやすい方法でファーストコンタクトをとる
3.マーケット・リサーチをする
この工程では、自分のことを知っている相手に対してのみ営業をすることと、自分の性格やワークスタイルに合った営業方法を採ることが大事だ。
そして見込み客とその会社、業界、どうやってこちらの情報を手に入れたかなど、見込み客についてのありとあらゆる情報を手に入れる必要もある。
「②アポイント──電話または訪問」は、以下の4工程だ。
4.良い印象を植えつける
5.アポイントの際に望むことに前もって考えを集中させる。望まないことについては考えない
6.相手に再び電話をかけたり訪問したりする約束をとりつける──相手との関係を保つ理由をつくる
7.相手のあらゆる要求に応じる
この工程では、身だしなみを整えたり、約束を必ず守ること、過去の成功体験を思い起こし、その時の感情を思い出しながらやることが肝要。
そしてもう一度会うアポイントを取り付けることで、詳しい解答を伝える機会、この人は約束を守る人だと印象付ける機会を手に入れるという技も忘れてはいけない。
相手とのやりとりにおいては「相手が求めるものを与えること」が最も重要だ。
契約成立への「アレンジ」
「③アレンジ(クロージング)」で行うのは、以下の1点だ。
1.質問をし、反論に対処する。相手の言葉に耳を傾け、契約に向けたサインを見きわめる。クライアントに合った方法で-自分に合った方法ではなく-契約を成立させるための「アレンジ」をする。
この最後の工程ではまず、相手の問題をどのように解決するのかに重きをおいて相手の質問に答えることが大事。
その際に、相手から発せられる「腕時計に目を落とす」(早く終わってほしいと思っている)などの肉体的サインを見逃してはいけない。
そして、見込み客が自分の話を理解して、同意し、同じことを考えていると感じたら、商品の登録、配達、設置などのアレンジを始める話をする。
「配達はいつがいいでしょう?」などと「いつ」「どこで」「どのように」と尋ねれば良いということだ。
その「アレンジ」がうまくいけば、契約は成立だ。