金利が10分の1に?
ロバート・キヨサキの新刊『金持ち父さんの こうして金持ちはもっと金持ちになる』が10月25日に筑摩書房から刊行された。
これまでのシリーズをまとめて進化させた上級編とのことだが、この本の第二章は「貯金をする人はなぜ負け組なのか?」というタイトルで、お金を貯めるだけではなぜ金持ちになれないかを説明している。
まず、1970年頃と今現在を比べると金利が大きく下落していることをキヨサキは指摘する。
たとえば1970頃のアメリカだと15%という高い金利のときもあって、100万ドル預ければ1年で15万ドル(1ドル110円とした場合、1650万円)の利子がついた。
ところが今や1.5%かそれ以下で、100万ドル預けても1年で1万5千ドル(1ドル110円とした場合、165万円)しか利子がつかず、これでは生活できない。
お金の価値が下落している
この数字を見るとミリオネア(大金持ち、百万長者)という言葉も一気に色あせてしまうが、同様に日本でも今は金利が1%を大きく切っているから、1億円を銀行に預けたとしてもとても利子では暮らせない。
これは日米だけのことではなく、世界を見渡してみると、今や全体の3割がゼロ金利かマイナス金利だという。
さらに、もしも金利よりもインフレ率のほうが高ければ、預けたお金はそれだけ目減りしていくという事態になる。
つまりは、お金の価値がどんどん下落していっているのだが、その主な原因は各国がどんどんお金を印刷して、お金の流通量が増えているからだ。
さらにお金は増えていく
お金は中央銀行が刷っているだけではなく、実はあなた自身もお金の流通量をふやしている。
たとえばクレジットカードでバッグか靴を買ったとする。あなたがクレジットカードで支払いしたその瞬間に、あなたの信用を元に新たなお金が生まれたことになるのだ。
問題はその生み出されたお金の支払いを、あなた自身がしなければならないことだ。
こうしてお金の流通量はどんどん増えていき、それとともにお金の価値は下がっていく。
お金を貯めるとはどういうことか、その意味が少し理解できただろうか。